警察庁は、プリペイドカードによる電子マネー型の特殊詐欺被害が急増していることを明らかにした。2017年上半期における特殊詐欺の認知件数は8863件で、前年同期比で、37.6%の増加だ。警察庁では、広報や注意喚起を強化している。警視庁でも、Twitterアカウントで、注意を呼びかけている。
警察庁が8月3日に発表した統計資料『平成29年上半期における特殊詐欺認知・検挙状況等について』によると、プリペイドカードによる電子マネー型の特殊詐欺被害が増加しているという。特殊詐欺とは、「面識のない不特定の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、預貯金口座への振り込みその他の方法により、現金等をだまし取る詐欺」のこと。2017年上半期における特殊詐欺の認知件数(未遂を含む)は8863件で、前年同期比で37.6%の増加だ。
被害金交付形態別では、14年に急増した「現金手交型」は、減少傾向にある一方で、「キャッシュカード手交型」の認知件数が1428件で、前年同期比1110%増となっている。また、「電子マネー型」も、認知件数が1530件で、前年同期比218.1%増だ。被害額の比較的小さい犯行が、多数回行われる傾向だとしている。なお、電子マネー型の99.4%は、有料サイト利用料金名目などの架空請求詐欺が占めているという。架空請求詐欺とは「郵便、インターネットやメールなどを利用して、不特定の者に対して架空の事実を口実とした料金を請求する文書等を送付するなどして、現金を口座に振り込ませるなどの方法によりだまし取る詐欺(同種の手段・方法による恐喝を含む)事件」のこと。
急増する手口への対抗策として、警察庁では、こうした手口についての広報や、コンビニエンスストアと連携した電子マネー購入者への声掛けなどによる注意喚起を強化している。また、警視庁でも、同庁サイバーセキュリティ対策本部のTwitterアカウントで、注意を呼びかけている。
この手の被害が発生するたびに警察庁は対策を講じ、注意喚起を行っている。しかし、依然として詐欺被害は増え続ける一方だ。年々、詐欺の手口は巧妙化するし、全く違うやり口となると、うっかり引っかかってしまう人が後を絶たない。こうした手口が横行していることを知り、明日はわが身かもしれないとして、他人事で聞き流さない意識を持ちたいものだ。(編集担当:久保田雄城)