韓国政府は2015年12月に日韓両国政府が慰安婦問題に「不可逆的、最終的合意」をしたことについて、合意への交渉経緯や合意内容の検証を進めており、年内に最終検証結果を出す意向だ。
韓国政府は外交部長官直属の韓日日本軍慰安婦被害者問題合意検討TF(タスクフォース)を7月に立ち上げ、検証を進めている。韓国・聯合ニュースによると韓国外交部の魯圭悳(ノ・ギュドク)報道官は28日の定例会見で「少女像(移転)問題を含め、慰安婦問題に関する政府の立場は、韓日日本軍慰安婦被害者問題合意検討TF(タスクフォース)の検討結果などを踏まえて決めるとの立場を重ねて表明した」と伝えた。
韓国では朴槿恵(パククネ)大統領失脚後、韓国世論に日韓慰安婦最終合意にくすぶっていた反発の声が高まり、ソウル・日本大使館前の慰安婦を象徴する少女像をソウル市鍾路区が「公共造形物」に指定した。また、国会女性家族委員会が「慰安婦被害者をたたえる日」制定を盛り込んだ法案を可決するなど、未来志向での日韓関係構築に懸念材料が増えている。
魯報道官は聯合ニュースによると「慰安婦問題を歴史の教訓として記憶するための努力は(日本との)慰安婦合意と関係なく、続けていくというのが政府の立場だ」としているという。(編集担当:森高龍二)