【日経平均】55円高でもTOPIXは下落

2013年02月14日 22:12

NYダウは35ドル安。14160ドルの史上最高値はおいそれとは更新させてもらえない。14日朝方の為替レートはドル円は93円台前半、ユーロ円は125円台半ばで前日午後から少しだけ円安。実質GDP速報値が午前8時50分に出て、10~12月期は年率換算-0.4%で7~9月期より幅は圧縮したが3四半期連続のマイナス。それを受けて日経平均は21.99円高の11273.40円で始まった。前場も後場も日経平均は小幅のプラスで推移するがTOPIXはマイナスの時間帯が多く、終値でも日経平均は55.87円高の11307.28円でプラス、TOPIXは-2.14の954.88でマイナスという「NTねじれ現象」が発生した。売買代金は2兆円を超えても売買高は36億株とやや低調だった。

 業種別では電機、海運、機械、ゴム、医薬品、繊維などが大きく上昇し、その他金融、鉄鋼、銀行、空運、建設、不動産などが大きく下落した。

 NTねじれ現象発生の原因は東証1部全体が値上がり636銘柄に対して値下がり960銘柄と弱含みだったのに加え、時価総額の大きい三大メガバンク、新日鉄住金<5401>など鉄鋼株、三井不動産<8801>や三菱地所<8802>など大手不動産株が揃って下落してTOPIXを押し下げ、しかもこの日は3ケタ高だったファーストリテイリング<9983>やファナック<6954>に準じて日経平均寄与度の大きい値がハイテク株の東京エレクトロン<8035>、TDK<6762>、アドバンテスト<6857>あたりの株価が上昇したため。それら半導体関連、ハードディスク関連の買い戻しを誘ったのはアルバック<6728>で、7~12月期が営業赤字から営業黒字に上方修正されたのを好感されて150円高の大幅高になり値上がり率3位に入った。大日本スクリーン<7735>も30円高と買われている。

 輸出関連ではソニー<6758>は34円高だがトヨタ<7203>は15円安。10円安のマツダ<7261>はこの日も売買高、売買代金とも2位で「大商いを伴って下落」した。「iPS細胞の臨床試験承認」というニュースを受けてタカラバイオ<4974>など新興市場のバイオ関連株が一斉に反応。武田<4502>、アステラス製薬<4503>、第一三共<4568>など医薬品大手も揃って上昇した。

 アサヒGHD<2502>は前日発表された12月期決算の内容が非常に良く、来期43円の大幅増配見通しとともに上限300億円の自社株買いの発表も行ったため、朝から景気よく買われ117円高で昨年来高値更新。決算で為替差益のおかげで経常利益見通しを上方修正した太陽誘電<6976>も一時ストップ高の141円高と買われた。しかし、前日好調だった保険株は東京海上HD<8766>に通期最終利益上方修正、第一生命<8750>に4~12月期増益という良い決算が出ながらどちらも反落。同じ増益でもイトーキ<7972>は31円高だったが、明治HD<2269>は100円安と明暗が分かれた。営業減益の沖電気<6703>は4円安。

 スクエニHD<9684>はMSCI標準指数から削除されるとわかり、指数外れ売りで57円安。ぐるなび<2440>は日経新聞に「3年後の売上高350億円」といった威勢のいい滝久雄会長のインタビュー記事が出たが、17円安で引けて市場の反応はクールだった。
 
 前日に続いてM&Aの話題で市場が大きく動いた。村田製作所<6981>がコイル製造の東光<6801>をTOBで、水晶部品製造の東京電波<6900>を株式交換で完全子会社化すると発表したことで、東光は、54円高で値上がり率1位。東京電波は80円高で同5位に入った。村田製作所は40円安だった。

 今日の主役は証券コード8301の「日本銀行」。「バレンタインデーのプレゼント」と呼ばれ、3月下旬に1万円を超えた上昇トレンドの出発点だった昨年の追加金融緩和発表から1周年だったが、大方の予想通り、後場早々に出た日銀の金融政策決定会合の結果は景気判断を引き上げつつ「現状維持」で何も出なかった。白川総裁の後任人事はいよいよ本格化するが、有力候補と目される岩田一政元副総裁の「ドル円100円程度までは均衡への回帰」発言が午前10時過ぎに市場に伝わると、為替は一時的に円安に反応し日経平均も11300円台に乗せたが、あっと言う間に利益確定売りの餌食で、相場がいかにデリケートな心理戦になっているか垣間見える。大引け後に記者会見を行った白川総裁はモスクワに出発し15日からG20財務相・中央銀行総裁会議を乗り切らなければならない。声明原案では「通貨安政策の自粛」が盛り込まれる見通しで、他国から何を言われるかわからず、円安は「まな板の上のコイ」になりそうだ。ちなみに日本銀行 の出資証券価格は値動きなしの47000円で売買高は100だった。(編集担当:寺尾淳)