改憲「スケジュールありきでない」再び安倍総裁

2017年10月24日 06:14

 自民党の安倍晋三総裁は総選挙の結果を受けての記者会見を23日、自民党本部で行い、今回の総選挙で衆議院での憲法発議に必要な3分の2の議席を与党で確保したことでの改憲へのスケジュールについて記者団に聞かれ、5月に2020年に新憲法を施行したいという発言は、改憲議論に関心を持ってもらうために発したもので「スケジュールありきではない」と改めて、党内議論、国会での憲法審査会での議論を通し、国民に理解を得られる環境づくりを進めていく考えを示した。

 安倍総裁は「わが党は政権公約の大きな柱の一つに憲法改正を掲げた。党内議論の具体的な検討項目として(1)自衛隊の明記(2)教育の無償化・充実強化(3)緊急事態対応(4)参院の合区解消の4項目を示したが、党内で議論を深め、わが党としての案を国会の憲法審査会に提案したい」と述べた。

 また改憲の実現には衆参両院総議員の3分の2以上による発議とともに国民投票により過半数の賛成が必要である、として「与野党を問わず、幅広い合意形成に向け努力していく」と述べた。

 野党第1党の立憲民主党に対しても理解を得ていく対象とはしたが、野党第1党の理解を得られることを改憲条件にするのかには回答せず、努力していくとの姿勢のみ示すにとどまった。

 憲法改正については「どの条項をどのように書き込むか」によって、具体の議論が深まっていくことになる。(編集担当:森高龍二)