総理へ言行不一致の誹り免れない 与党議員も

2017年11月01日 06:08

 学校法人森友学園に8億円の値引きをし、会計検査院が最大6億円過大値引きと算定しているとの報道や学校法人加計学園獣医学部新設を巡る疑惑に対する国会審議が行われないまま、政府・自民党は11月1日召集の特別国会も実質審議を飛ばす意向を示していることに、身内の自民党衆院議員からも政府・与党の姿勢を問題視する声があがっている。

 自民党は野党時代に民主党に求め予算委員会の与野党質問時間を「与党2、野党8」にさせたにもかかわらず、自らが与党になり、安倍晋三総理への追及が懸念されるや、議席数に合わせた時間配分をと、全くのご都合主義を主張しており、これには野党だけでなく、国民からも批判の声があがっている。

 実質審議をしないのは問題だと指摘している船田元(はじめ)衆院議員(裁判官弾劾裁判所裁判長)は「もし今年中に臨時国会が開かれないとすると、6月末に閉会した前の通常国会から、半年間も国会審議が行われないという異例の事態を迎える。8月3日に就任した各大臣の所信も、就任以来5ヶ月間も聞くことができないことになる」と指摘した。

 また、実質審議が持たれないとすれば「安倍総理は選挙中の演説で『今後は丁寧に、真摯に対応していく』趣旨の発言を行い、選挙後も政府与党幹部は同様の発言を繰り返している。そのような言動にもかかわらず、特別国会を最小限で閉会にしたら、言行不一致の誹りを免れないのではないか」とブログに書き込み、懸念を示している。船田氏の指摘や懸念は多くの国民感覚に沿うものだろう。

 船田衆院議員は「外交日程があるにせよ、やり繰りをすれば衆参で1日づつ、予算委員会を開くことは可能だし、それがだめなら年内に臨時国会を開くという選択肢もある」と提起している。政府側に積み残しの問題について説明責任を果たす姿勢が求められている。(編集担当:森高龍二)