国が学校法人森友学園に国有地を売却する際、用地内のゴミを理由に撤去費用などとして8億円の値引きをしていた問題で、会計検査院が検査した結果、ごみ量は政府説明より約7割から3割減ることが分かった。この分が少なくとも過大に値引きされたことになる。
社会民主党の吉田忠智党首は会計検査院の22日の国会報告を受け「8億2千万円の値引きの根拠は不十分・不合理・ずさんで、慎重な調査検討を欠いたと指摘している。売却価格の妥当性に疑問を投げかけるもので、これまで『法令に基づき適切に処理した』としてきた政府側の説明責任が問われる」と談話を発表。
合わせて、会計検査院に対し「文書保存について改善を求めているが、国有財産の売却をめぐる近畿財務局職員が取った手法の顕著な不当性や脱法性についても検査し、意見を付すべきであった」と指摘。
そのうえで「財務省、国交省のずさんな公文書管理によって記録が残されていないため、十分な検査ができないというのであれば『検査妨害』に相当し、会計検査院法第33条にしたがって、公文書遺棄罪などで該当する職員を検察庁に通告することも検討すべき」と要請した。
また「会計検査院は地中のごみの量について十分な根拠が確認できないとして、具体的な適正価格を示さず、値引きが不当かどうかの判断も示さなかったが、国会や内閣から独立機関の会計検査院として、もっと踏み込むべきだ」とも指摘した。
また談話は「政権の意向を『忖度』したような報告では、森友学園への国有地の異常な安値売却をめぐる国民の強い関心に応えたとは到底言えるものではない」とも提起。
「近畿財務局は正常な売買交渉ではないことを十分認識しながら、森友学園に利益を得させるため、瑕疵担保責任を故意に拡大解釈し、異常な廉価での売却を実行する背任を犯したと言わなければならない」とした。(編集担当:森高龍二)