様々な分野、場面に「ドローン」、広がる商機

2017年12月18日 06:47

画・様々な分野、場面に「ト_ローン」、広か_る商機

様々な用途で利用されるドローンを農業などで活用する事例が増えている。簡単な構造でありながら幅広い活用が可能なドローンの市場は今後も成長していく可能性を秘めている。

 ビジネスを拡大するチャンスというのは、思わぬところにヒントがある。様々な場面で活用されるドローンについてもそんなビジネスチャンスを広げるヒントのひとつだ。ドローンを使った最も身近な活用例となるのが空中からの撮影だが、おもに人間が入れない場所での活躍はドローンの真骨頂といえるだろう。また、ドローンのもうひとつの特徴といえばプロペラとモーターがあれば開発ができるというシンプルな構造だ。シンプルでいて幅広い活用事例をもつドローンに、いま様々な企業が注目している。

 三菱商事の子会社「スカイマティクス社」は用途に応じた様々なドローンを開発・運用している。そんなスカイマティクス社が開発したドローンのひとつには、その用途として農薬散布を行うものがある。その性能は、およそ1ヘクタールの面積の田園に自動で隅々までおよそ8リットルの農薬を散布することができるというもの。しかもそのために必要な時間はわずかに8分ほどだが、これを人間の手による農機を使った場合はおよそ5倍の40ほどの時間が必要な作業だった。ドローンを用いて農薬散布をすることができれば、それまでにかかっていた時間を短縮できるだけでなく、手間も少なくなるため人件費の節約にも効果的だ。ドローンの初期導入費用にはおよそ200~300万円ほど必要だが、将来的なコストダウンを考えると設備投資をする価値が大きいと判断できる。

 住友商事では農業ベンチャー企業「ナイルワークス」に投資をしているが、このナイルワークス社でも農業目的のドローンを開発している。このドローンはもみの数をカウントできる解析能力を備えており、米の収穫量を把握することが可能だ。現在のもみの状況を正確に、そして瞬時に把握することができるため、水や肥料を入れるタイミングについてもドローンで測ることもできるようになる。これまでの農業のあり方を一変させるほどの優れた効果があるといえるだろう。このように、田舎や農地でドローンを活用するケースは今後もさらに増えるといわれており、それぞれの用途にあわせて様々な機種が開発されていくのではないだろうか。

 こうした企業がドローンに注目するのは、やはりビジネスが拡大していく可能性を見越してのことだろう。国内市場は今後も成長する可能性を秘めており、他社に先んじてドローンを利用した戦略を立てたいのはどの企業も同じことである。ただし、ドローンは利便性の高さとともに安全性の確保にも課題が残っている。墜落などのトラブルはドローンの抱える難点のひとつであり、企業はこうした安全性の配慮にも十分注意しながら運用を続けていくことが求められる。(編集担当:久保田雄城)