GfK ジャパンは、全国の家電量販店、GMS、インターネット通販における基礎玩具の販売動向を発表した。
主に乳幼児向けの玩具である基礎玩具の販売が拡大を続けている。比較可能となる2013年第2四半期(4-6月)以降、基礎玩具の販売金額は14四半期連続で前年同期を上回った。子どもの数が30年以上連続して減少する中、近年の基礎玩具販売はキャラクター人気と高価格帯商品に支えられ成長している。16年も1-9月期で金額前年比9%増と、最大商戦期であるクリスマス商戦を目前に好調を維持しているという。
基礎玩具では主要キャラクター商品が販売の約5割を占めるが、この中で最も人気が高いのは「それいけ!アンパンマン」だ。かねてより高い人気があるが、販売金額はここ数年伸び続けており、16年1-9月期では金額前年比14%増となった。アンパンマン製品はロングセラーが多く、3、4年継続して販売されることも少なくない。また、新商品を中心に平均価格が上昇しているのも特徴だ。アンパンマンなどの定番商品の好調に加え、14年は「アナと雪の女王」、15年は「スター・ウォーズ」といったその時々の流行キャラクターの販売も好調に推移していることから、キャラクター商品の拡大が続くとしている。
基礎玩具の平均単価は高付加価値商品の好調により、14年、15年と上昇傾向にある。16年1-9月期の価格帯別金額構成比をみると、5,000円以上が約3割を占め、市場の拡大に貢献している。同価格帯には、「ことばずかんDX」や「はじめてのおしゃべり48」などのアンパンマンの知育玩具やブロックの基本セット、タブレット型玩具などが含まれる。これらの製品は、時勢を反映しているとともに、子どもの語彙力や創造力を育むことを訴求しており、成長しても遊べるような配慮がなされている。一部製品では消費税増税に伴い価格改定やリニューアルを行ったが人気は衰えず、プレゼント需要の受け皿としての根強い人気があることを印象付けた。
基礎玩具は両親や祖父母などからのプレゼントが販売の主であり、一度人気が出ると長期間継続したり、商戦期には価格が上がったりする傾向がみられる。クリスマス商戦を含む第4四半期では基礎玩具全体の平均単価は約3割上昇するが、人気キャラクターや流行を捉えた高付加価値商品の販売動向が注目されるとしている。(編集担当:慶尾六郎)