改憲には現憲法で対応不可の説明が必要 石破氏

2017年12月26日 06:15

 自民党元幹事長で元防衛大臣の石破茂衆院議員は自民党憲法改正推進本部の総会で党としての改憲4項目の論点整理が了承されたとしたうえで、憲法改正に国民の理解を得るには現行憲法では対応できないことの説明が必要とする趣旨を25日までのブログで発信した。

 また、4項目の絞り込みにあたって党所属議員や党員に説明し、どれを優先的に取り上げるかのプロセスを経なかったことに「誠に残念だ」と進め方に対し不満を隠さなかった。

 石破氏は「あらゆる法体系の頂点にある憲法について論じることは、我が国の在り方そのものを論じるということだから、本来、党所属の全議員が参加して徹底した学習を行い、侃々諤々の議論を闘わせ、地方組織においても丁寧に説明して理解を得るというのが、本来あるべき姿だと思っている」との考えも示し、党議決定した24年憲法改正草案について「今の時点においても、説明する機会を一度も持たなかった理由は一体何だったのか」と疑問視した。

 石破氏は「改正項目を絞り込むに当たっては、なぜ今それらが必要なのかを説明しなくてはならない」とし「時代や環境の変化によるものとするなら、どのように時代や環境が変わり、なぜ今の憲法では対応できないのかを明確にしなければ国民の理解は得られない」と、まさに、国民が説明を求める部分を指摘した。

 また、憲法9条に関して「国際法上の概念としての交戦権と自衛権は一体のものであり、本来分けて考えることは出来ない(交戦権を否認した規定を残したままでは)本当に自衛権行使が出来るのか。臨検・拿捕は出来るのか。それなくして経済封鎖の一翼を担うことは出来ない」と指摘。

 また自衛隊に対する立法府によるコントロールの実効性を担保するため「防衛出動の下令は『国会の権能』として憲法に明記する」ことも提案している。

 石破氏は自衛隊について「軍と認めて初めて、政軍関係が憲法上明確に位置づけられるのであり、自衛隊は警察のように行政そのものなのでない以上、政軍関係を明確化する必要があるはず」とも提起した。(編集担当:森高龍二)