今春の防衛大学校卒業生のうち、任官辞退者が38人にのぼったことがわかった。昨年より6人増となった。
防衛大学校は陸海空の各自衛隊の幹部自衛官を養成するために税金を投入し、学生には毎月の手当として月約11万円が支給されているほか、6月と12月には期末手当(平成27年4月での額では年間約35万円)が支給されている。在学中は全員学生宿舎に住まい、被服、寝具の貸与、食事支給がある。
任官辞退は進学希望の者もいるようだが、家庭の事情や民間企業への就職希望など、それぞれ理由は違うよう。卒業時に任官を辞退しても、在学中に受給した手当の償還は現行ではしなくていいことから、手当てをもらって知識を得たことになるなど、一般大学に学ぶ学生との不公平感は否めない。
この不公平感を解消することも含め、任官辞退者に250万円の償還をさせる法案が過去に国会に提出されたが、審議未了になっており、現在は返還の義務はない。(編集担当:森高龍二)