トヨタ、ハイブリッド・フレックス燃料車を開発、ブラジルで初公開

2018年03月21日 08:08

Toyota Hybrid_FFV

ブラジルトヨタが公開した、ガソリンとエタノールなどのアルコールを燃料として走行できるフレックス燃料車「Flexible-Fuel Vehicle」にハイブリッドシステムを搭載した試作車「トヨタ・ハイブリッドFFV」、ベース車はハイブリッド専用車のプリウス

 トヨタ自動車のブラジル生産・販売事業を担う事業体「Toyota do Brasil/ブラジルトヨタ」は、ガソリンに加えてエタノールなどのアルコールを燃料として走行できるフレックス燃料車「Flexible-Fuel Vehicle」(FFV)に、世界で初めてハイブリッドシステムを搭載した試作車「ハイブリッドFFV」を開発。ブラジルのサンパウロ市でトヨタが主催したイベントで初公開した。

 このイベントには、サンパウロ州政府やサトウキビ産業協会(UNICA)など産官学の関係者が出席して執り行なわれた。

 ハイブリッドFFVは、ハイブリッド車の普及やCO2排出量削減を通じた環境貢献を目指して、トヨタが日本とブラジルで開発を進める新たなパワートレーンシステムだ。

 エネルギー効率の高さやCO2排出量が少ないハイブリッド車の性能をベースに、成長過程でCO2を吸収する植物の特性と合わせて、実質的なCO2排出量を抑えられる植物由来の再生可能エネルギーを使うことによって、植物育成〜生産〜精製〜消費・燃焼まで総合的にCO2排出量を大きく低減させるポテンシャルを持ったシステムでもある。

 走行実証には、現在ブラジルで販売するハイブリッド車「プリウス」に同システムを搭載した試作車を用いる。

 トヨタの調べによると、植物の成長過程からエネルギーとして車で使われるまでのCO2総排出量で比較すると、一般的なFFVに比べて、ハイブリッドFFVは、サトウキビ由来のエタノールのみを燃料とする場合、排出量を大きく削減できると試算している。

 ハイブリッドFFVの開発は、2050年までにグローバル新車平均走行時CO2排出量の2010年比「90%削減」や車両のライフサイクルでのCO2排出量ゼロを目標とする「環境チャレンジ2050」における新たな取り組みのひとつである。

 同時に、2030年にグローバル販売台数における電動車を「550万台以上」を目標とする電動車普及に向けたトヨタグループの取り組みの一環でもある。

 今回の試作車は、新たなモビリティ社会を目指して、日本とブラジルの技術者が共同で新たな技術に取り組む象徴でもある。

 今後、ブラジルトヨタは、ハイブリッドFFVの耐久性やパワートレーン性能などの検証を進めていく。(編集担当:吉田恒)