日産が、ニューヨークモーターショーで「新型アルティマ」を初公開した。日産にとっての最大市場である米国で「アルティマ」は、日産の顔とも言えるサルーンだ。発表した新型アルティマは、そのエクステリアデザインを大きく進化させている。
新型は、従来モデルに対し、1.1インチ車高を下げ、全長を1.0インチ長く、車幅を0.9インチ拡大した。また、ホイールベースを1.9インチ伸ばし、フロントオーバーハングが短くスポーティな姿を得た。スリークで洗練されたデザインの新型は、空気抵抗係数Cd値0.26を実現している。
ダーククローム仕上げを施したダイナミックなVモーショングリルに、デイタイムランニングライトを搭載したLEDプロジェクターヘッドライト、LEDフォグライト、スリムピラーのフローティングルーフ、シングルパネルのムーンルーフを採用した。
インテリアデザインは、薄く水平基調で軽やかなレイヤー表現と空間の広がりを感じさせる「グライディングウィング」デザインのインストルメントパネルにハイコントラストカラーやトリムを採用し、デザインと素材のコーディネイトでラグジュアリー感を演出する。
新型アルティマは、世界初の量産型2リッター直列4気筒可変圧縮比ターボエンジン「VCターボ」を搭載した。このエンジンは、V6ガソリンエンジンと同等の動力性能を発揮しながら、4気筒エンジンと同等の低燃費を実現した。
VCターボエンジンは、圧縮比を8:1(高性能)から14:1(高効率)の間で自在に変えることができ、運転状況に応じてエンジンを制御し、燃料消費量と排出ガスの大幅な削減、騒音や振動レベルの低減など、多くのメリットがある。さらに既存のエンジンに比べ軽量かつコンパクトだ。最大出力は248馬力、最大トルクは273lb-ftとなっている。VCターボエンジンは日本で生産する。
新型アルティマのもうひとつの新しいエンジンは、直列4気筒DOHC 2.5リッター直噴エンジン。最大出力、最大トルクは、188馬力、180lb-ftで、エンジン部品の80%以上が新設計された。
新エンジンは、出力とトルクを向上させながら、騒音や振動等(NVH)を改善し、燃費の向上とクリーンな排出ガスも実現している。このエンジンは、テネシー州のデカード工場で生産する。
両エンジンに組み合わせるトランスミッションは、ロックアップ領域を拡大したエクストロニック CVTで、SRグレードではパドルシフトが選択できる。
ニッサン インテリジェント モビリティ技術を象徴する自動運転技術「プロパイロット」も搭載する。具体的機能は説明の必要が無いほど知られているが、高速道路の単一車線での自動運転技術だ。「プロパイロット」は、2019年モデルのSV、SL、Platinumの3つのグレードに標準装備される。
また、また、プロパイロット搭載車は後退時に車両後方の静止した物体を検知し、必要に応じて自動でブレーキを作動させて衝突防止を支援する「リアオートマチックブレーキ(RR-AB)」を新たに搭載する。同システムは、低速での後退時に物体を検知すると、表示と警告音でドライバーに知らせる。それでもドライバーのブレーキ操作が不十分な場合や、衝突するリスクがあると判断した場合には、再度、表示と警告音で報知し、より強いブレーキを作動させる。
新型には、S、SR、SV、SL、Platinumと幅広いクレード構成。2.5リッターエンジン+4WDを全グレードに設定する。また、VCターボを搭載したPlatinumグレードをベースに開発した限定生産モデルも発売予定です。限定モデルは今夏初旬より事前予約を開始する。日本市場への投入については未定だ。(編集担当:吉田恒)