文民統制徹底へ 自衛官の国会出席検討を提起

2018年04月10日 06:23

 自衛隊のイラク派遣部隊の日報問題について、自民党の石破茂元防衛大臣は「昨年3月に陸上自衛隊内で発見されていたにもかかわらず、大臣に一年以上報告されていなかったことは極めて深刻な問題」とブログに取り上げた。

 石破氏は「南スーダンでの活動の日報問題で当時の大臣・事務次官・陸上幕僚長が辞任したのは昨年7月だったが、その教訓も反省も何ら生かされていないとしか思えない」と今回の問題発生の徹底検証が必要だとしている。

 石破氏は「平成19年、防衛大臣在任中に、海上自衛隊のインド洋における補給活動で、米艦に対する燃料補給量の報告取り違え事案が発生し、国会が混乱した際、省内に『文民統制の徹底に関する検討委員会』を設置し、議論の成果をその後の防衛省改革に結実させたはずだ」としたうえで、その時の内容に不足のところがあったのか、防衛省・自衛隊に徹底されていなかったのか「検証なくしては必ずまた同じことが起こる」と再発防止へ徹底するよう求めている。

 また、国会に制服組が出席しないことにも文民統制の視点から疑問符を付けた。石破氏は「自己完結型の組織である自衛隊は組織外に対し基本的にあまり関心を持たない性向を有している」とし「我が国においては国会に自衛官(制服組)が出席することもなく、論戦の矢面に立つのは大臣や内局官僚のみ。『国会に制服組が出席するのは好ましくない』などという綺麗事を言っていて、立法府による統制が機能するとは思えない」と自衛官の国会への出席の検討も提起した。(編集担当:森高龍二)