しゅふJOB総研が働く主婦層を対象に「引退年齢と年金」をテーマにアンケート調査を実施。理想の引退年齢は「65歳以上」79.0%、平均は68.4歳。年金受給70歳以降選択案に「賛成」30%、「反対」40.0%。
人生100年と言われる時代になった。医療技術の進歩により60歳を過ぎても元気で働いている高齢者が増えた。街中でそういう高齢者を見かける機会も多くなった。一方、人口構造の高齢化の観点から年金制度を維持するために年金の支給年齢を70歳以上にすべきであるという意見も増えている。
しゅふJOB総研が「引退年齢と年金」をテーマに働く主婦層にアンケート調査を実施し、その集計結果を公表した。
「もしあなたが仕事から引退するとしたら、何歳くらいが理想か」という質問に対して、「65歳以上」を選択した者が30.1%と最も多く、「65歳以上」を超える年齢の選択肢を選んだ者の合計が79.0%と多数派になった。全回答者の平均値では68.4歳になる。
内訳をみると「60歳以上」が15.3%、「65歳以上」が30.1%、「70歳以上」が27.7%、「75歳以上」は11.2%、「80歳以上」が10.0%となっている。多い選択肢は「65歳以上」の30.1%と「70歳以上」の27.7%で両者を合わせると57.8%で半数を超え6割近くに達する。
年金の受給開始年齢については、現行では原則65歳で60から70歳の間で選択可能というルールだが、政府は70歳以降でも選択可能とすることを検討している。これについての賛否を尋ねたところ、「賛成」が29.9%で、「反対」が40.0%、「分からない」が30.1%と「反対」が最も多い結果となった。
フリーコメントを見ると、「賛成」と答えた者では、「70歳を過ぎても、働く人がふえてきたので」(50代)、「自分は選択しないというだけ」(40代)、「そうしないと年金制度が維持できないから」(60代)など、現在の高齢者は元気で働ける機会を持っている点を重視しており、また制度の維持のためには必要、選択制だから問題は無い、という理由が目立つ。
一方、「反対」と答えた者では、「何才まで生きるか分からないから」(50代)、「60歳以降も仕事があるかわからない」(40代)、「年金制度はもはや限界だと思うから」(30代)など、老後の健康状態や雇用の不確実性を不安に感じている様子もうかがえ、また制度の維持自体に疑問を持っている意見もみられる。「反対」と答えた者では「選択制」の部分は重視していないようだ。
全体としてみると、いつまでも働きたいが年金は早くもらいたいというのが働く主婦の本音のようだ。(編集担当:久保田雄城)