木造注文住宅をメインとするハウスメーカー、アキュラホームが、5月19 日からアキュラホームグループ創業40周年事業として、コンセプトハウス“キラクノイエ”のモデルハウスを公開した。場所は横浜市都筑区のアキュラホーム港北展示場(ハウジングメッセ港北インター住宅公園)だ。
同モデルハウスは、日本を代表する建築家の原田真宏氏・原田麻魚氏(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)によって、「多様な暮らしの器となる居住空間」をテーマに建設した家だ。
“キラクノイエ”は「多様な暮らしの器となる居住空間」をキーワードにつくられた、社会やライフス タイルの変化を柔軟かつ快適に取り込むことのできる「暮らしの多様性を叶える」家だという。CLT採用による木質壁構造で、居室内には柱や梁のない、従来の木造住宅では難しかった開放的で心地よい大空間をもたらす。あわせて、屋外との一体感も演出できる住宅だ。自分らしい、自由な暮らしを実現するコンセプトハウスである。
CLTとは、Cross Laminated Timberの略称で、ひき板を並べ、繊維方向が直交するように積層接着した木質系集成材の新しい素材だ。木の表面をそのまま見せて住宅建設に用い、木の温かみを感じられる素材。構造躯体として堅牢に建物を支え、断熱性や遮音性などの複合的な効果も備えた新しい構造材だ。
CLTは、1995 年頃にオーストラリアを中心に発展。近年、英国やスイスなど欧州各国で建築物に利用され、次世代の家づくりの素材として注目されている。
林野庁は 2020年の東京オリンピック&パラリンピック大会の競技施設や選 手村の食堂などの仮設物に CLT を活用することを検討しており、国内における CLT普及が寄せられている。
現在インターネットの拡充や働き方改革の促進など、人を取り巻く環境は大きく変化し、多彩で新しい豊かな暮らし方を探る動きが活発となってきた。
今回のモデルハウス「キラクノイエ」は、5層構造のCLTを使って、社会やライフスタイルの変化を柔軟かつ快適に取り込み、暮らしの多様性に寄り添い、かつフィットする住まいといえる。
具体的な想定する使い方としては、「週末別荘」などのほか、庭先に建てる「ホビールーム」、住居に隣接した「カフェ」、子育てを終えた「夫婦ふたりだけのシンプルな家」、個人経営の「小さなレストラン」、「個人事務所」などの用途が考えられる。
CLTをジョイントで繋ぐ構造で、分割して移築可能な家なので、家族構成やライフスタイルの変化に応じて、建て替えや増築、減築などフレキシブルに変容する家でもある。
先々の多様な暮らし、ライフスタイルの器となる居住空間で、新しい木質素材CLT を活用し、都市や郊外を問わず、“何処で過ごす”のか、家族や両親、そして仲間など“誰と過ごす”のか、そして仕事や遊びなど“どうやって過ごす”のか、その時々で変化する人生において、百人百様の暮らし方を実現できるユニークな住宅といえそうだ。(編集担当:吉田恒)