障がい者の就職件数 4.9%増。9年連続で増加

2018年05月30日 06:23

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25日、厚労省は2017年度の障がい者の職業紹介状況を公表。ハローワークを通じた障がい者の就職件数は9万7814件、前年度比4.9%で9年連続の増加となった。

 人手不足感が高まる中、就業人口は増加の傾向で推移している。これはこれまで就業に困難を抱えていた人にも配慮した労働環境の整備が進んできたことを意味する。

 障がい者の就業件数も増加傾向で推移している。2005年の障害者自立支援法の施行以来、障がい者の就労支援が行われてきたが、着実に成果を上げてきたといえる。18年4月からは改正障がい者総合支援法が施行され、さらなる就労移行支援事業が強化された。

 25日、厚生労働省は「平成29年度障がい者の職業紹介状況等」を公表し、「ハローワークを通じた障がい者の就職件数が9年連続で増加」していることを発表した。

 報告書によれば、ハローワークを通じた障がい者の就職件数は9万7814件で、対前年度比は4.9%の増加した一方、就職率については48.4%で、対前年度差0.2ポイントの減少となった。中でも、精神障がい者の新規求職申込件数は9万3701件で対前年度比は9.0%の大幅な増加となっており、就職件数は4万5064 件で対前年度比8.9%の増加となっている。

 その他の内訳を見ると、身体障がい者の就職件数が2万6756件で0.7%の減少、就職率は44.2%で0.2ポイントの減少となっている。知的障がい者では就職件数が2万987件で3.2%の増加、就職率は58.7%で0.7ポイントの減少となっている。その他の障がい者は就職件数5007件で9.3%増、就職率は41.2%で0.3ポイントの減少である。

 産業別に見ると、「医療,福祉」が3万5566件で最も多く全体の36.4%を占め、次いで「製造業が1万3595件、「卸売業,小売業」が1万2412件、「サービス業で1万288件などが多くなっている。

 なお、ハローワークに届出のあった障がい者の解雇者数は2272 人で、前年度の1335人より増加している。

 ハローワークでの紹介状況の詳細を見ると、新規求職者申込件数が20万2143人で対前年度比5.4%の増加で、有効求職者数は25万5612人で対前年度比6.2%の増加となっている。

 かつて障がい者の雇用促進施策については雇用するよりは罰金を払った方が良いという企業の風潮であったが人手不足感が増大する中、行政の努力もあり理解と協力が進み積極的に障害者を雇用する企業も増えてきているようだ。(編集担当:久保田雄城)