財務省が行った森友学園への国有地売却を巡る決裁文書の改ざん、隠ぺいに至った動機が解明されないままになっている。
11日の参院決算委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員は、改ざんに関する財務省の調査報告書では「国会で新たな材料を与えたくなかった、国会が紛糾するのを恐れた」ことを目的としているが「安倍昭恵総理夫人による森友学園への肩入れ、支援があり、加えて『私や妻が関係していたら総理、国会議員を辞める』(安倍晋三総理)と総理答弁があったから(改ざん、隠ぺいを)せざるを得なかったのはないか」とこれが動機だと追及した。
辰巳議員は財務省が報告した森友学園との応接録を取り上げ、近畿財務局が作成した応接録は本省と随時共有されていた。なぜ、一部局の応接録を本省と共有する必要があったのか、いつから共有されていたのかと質した。太田充理財局長は「すべてではないが、必要に応じて情報共有している」とした。
辰巳議員は「田村嘉啓財務省審理室長は2014年4月28日に安倍昭恵総理夫人が森友学園に訪問した際の一連の経緯を応接録で知っていたということだ」と追及。太田理財局長は「補佐は数人おり、近畿財務局を担当する補佐は基本的に知っていたと思うが、審理室長までが知っていたかどうか、そこまでは把握できていないと思う」とし「必要に応じて補佐が室長に話をするということだろう」と知っていたかどうかには明言を避けた。
太田理財局長は「2014年4月28日の応接録は、近畿財務局に問い合わせたところ、職員が『作った記憶がある』ということだった。ただ『調べたが、その応接録はどうしても発見できなかった』ということだった。ただ『内容はそういうことだった』といっている」と答弁した。
そういうこととは、安倍昭恵総理夫人から「いい土地ですから、前にすすめてください」という言葉を頂いた、と言ったと学園側から言われた文言や昭恵氏と籠池泰典森友学園理事長(当時)と籠池諄子氏とのスリーショットの写真提示があったことなど。この日の質問で辰巳議員は調査は尽くされていない、と断じた。
また、辰巳議員は、ツイッターで2014年4月28日の応接録「作ったのにない。なんでやろね」と疑問を投げかけている。(編集担当:森高龍二)