食べるに困る家なし、二階氏の認識に批判の声

2018年06月28日 06:24

 自民党の二階俊博幹事長が都内での講演で「今は食べるのに困る家はない。今晩食べるコメを用意できない家は日本にはない。こんなに素晴らしい幸せな国はない」などと発言したことに認識不足などの批判の声があがっている。

 社会民主党の吉川はじめ幹事長は27日「厚生労働省の2016年人口動態調査では、食糧の不足が原因で死亡した者は15人、栄養失調で死亡した者は1636人になっている」と指摘した。

 また「2016年度の1か月平均の生活保護受給世帯は163万7045世帯と過去最多を更新している」と実態を示すとともに「約7人に1人の子どもが『貧困ライン』を下回ったままで、一人親世帯の貧困率も主要国では最悪の水準にある」と現況を把握して語る必要を提起した。

 立憲民主党の枝野幸男代表は27日の党首討論で、二階氏の発言を取り上げ「子ども食堂や低年金高齢者などにみられる貧困家庭の実態を理解していない。安倍総理は認識として『今の日本で食べるのに困るような家庭はない』と認識しているか」と尋ねた。

 安倍総理は「二階さんの年齢からして、戦後(直後から)の時期等々から比較されたのだろうと思う。そのころと比較すれば、はるかに日本は豊かになっている。しかし、様々な困難を抱えている方のいらっしゃるのも事実であり、そういう状況があるからこそ、生活保護(制度)など社会保障の仕組みを作り上げてきているのだと思う」と擁護した。(編集担当:森高龍二)