オーガニック市場が拡大中。今、消費者がオーガニック製品を求める理由とは?

2018年07月01日 12:31

オーガニック (1)

オーガニックは、より農薬や化成肥料、遺伝子組み換え技術を使用せず、自然に近い状態で生産された有機食品や有機製品を指す

 一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ)が、1万人規模で実施した消費者意識調査によると、現在のオーガニック市場の推定規模感は4,117億円。ここ数年でオーガニック食品をスーパーで買い求める人が増えていることや、オーガニック系外食の店舗も増えていることが分かった。また、これまでは女性の関心が高いイメージがあったが、20代、30代の男性も意識が高まっていることが判明し、今後も成長が期待できそうだ。

 急速に市場が拡大しているのには、いくつかの理由が考えられる。

 そもそも近年の健康志向の高まりもあり、潜在的な顧客は多かった。ところが、多くの商品が専門店でしか扱っておらず手に入りにくかったことや、高価なイメージがつきまとっていたことが、消費者に二の足を踏ませる大きな枷になっていたと考えられる。

 最近は、大手の小売り企業やショッピングセンターなどでも、オーガニックコーナーが設置されるなど、ぐっと生活に身近になってきたうえに、インターネットによる通販も普及してきたことで、購入できる間口が広がったことが追い風になっているようだ。

 ところで、オーガニックとは何だろう。オーガニックは、より農薬や化成肥料、遺伝子組み換え技術を使用せず、自然に近い状態で生産された有機食品や有機製品を指す。オーガニックだから美味しくて安全だとは言い切れないが、一般的な商品に比べて格段にリスクが低く、食品ならばより自然に近く安心なのも事実といえる。

 例えば、ネオニコチノイド系農薬というものがある。ニコチンに似たネオニコチノイドという成分をベースとする農薬で、世界で一番利用されている殺虫剤だ。日本でも、米をはじめ様々な農作物に広く使用されているが、このネオニコチノイド系農薬は、蜂の激減の原因とも噂されているほか、人に対しても脳や神経の発達に影響を及ぼすことが明らかになりつつある。海外では徐々に規制強化が進んでいるが、何故か日本だけが「人への影響はまだハッキリと分かっていないから」という理由で、逆に規制緩和されているのだ。
 
 本当にネオニコチノイド系農薬が蜂の激減の原因なら、そんな農薬を散布した場所で採取された蜂蜜はやはり怖く感じてしまう。ミツバチ産品を製造・販売している山田養蜂場は、早くからこの問題を重要視している。同社には、養蜂先進国として世界でも有数の養蜂技術をもつルーマニアでEUの有機認証基準に基づいて採取された「有機アカシア蜂蜜」や、キューバの有機養蜂場で採取された「有機百花蜂蜜」などを販売しており人気を集めている。

 オーガニックの波は、食品だけではない。ユニ・チャームが発売している「ナチュラルムーニー」は日本で初めておむつにオーガニックコットンを使用し、新生児や乳児を抱えるママ層や助産師などから大きな支持を得ている。

 また、アース製薬はなんと、オーガニックな防虫剤「natuvo」を開発して話題となっている。「natuvo」は、オーガニックスペアミントオイルをはじめ、ジャパニーズミントオイル、ユーカリプトゥスオイルなど全成分を天然成分100%でブレンドすることで、オーガニックながら、確かな防虫効果が認められる製品となっている。

 現代は便利な世の中だが、便利さと引き換えに健康を損ないたくはない。気づかないうちに我々の周りは危険なリスクで溢れてしまっている。とくに口に入るもの、肌に触れるものは、できるだけ自然に近い素材でできたオーガニックなものを選びたいものだ。(編集担当:藤原伊織)