SUBARUと米国ベル社、民間向け最新型ヘリコプター「412EPX」で協業

2018年07月22日 13:47

SUBARU BELL 412EPX

SUBARUと米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社が協業で開発した多目的ヘリ「SUBARU BELL 412EPX」

 SUBARUと米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社は、イギリスのファンボロー空港において開催中の「ファンボロー国際航空ショー」で、陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプター(UH-X)のプラットフォームであり、本年7月に型式証明を取得した民間向け最新型ヘリコプター「SUBARU BELL 412EPX」型機での事業協力を発表した。

 2015年にSUBARUは、防衛省との間で現在の陸上自衛隊向けUH-1Jの後継機であるUH-X開発プロジェクト立ち上げ事業の試作請負契約を締結していた。「412EPX」型機をベースにしたUH-Xは、日本の複雑で狭隘な地形でも人命救助が容易な柔軟性に富んだ操縦性を持った機体だ。

 「412EPX」は、これまで412型機の多用途性や信頼性に対する高い評価を維持しながら、さらに操縦性能を向上させた機体。

 会見で、ベル社社長兼CEOのミッチ・スナイダー氏によると、「60年前に陸上自衛隊に最初にヘリコプターを納入して以来、ベル社とSUBARUは長年のパートナーであり、『UH-X』および『412EPX』でも、の素晴らしい関係が継続、発展することを期待している」と述べたという。

 SUBRU航空宇宙カンパニープレジデントの戸塚正一郎氏も続けて、「ベル社と協力のもと、『412EPX』をもって当社の民間機ビジネスを発展させていきたい」と語ったという。

 UH-XはUH-1Jの後継機として、2022年より陸上自衛隊向けに納入が開始される予定で、離島防衛や災害救助における活躍が期待されている。

 「412EPX」は、エンジンの出力をメインローターブレードに伝達する変速機構であるメイン・ローター・ギアボックスの強化、メイン・ローター・ギアボックス内の潤滑油が抜けた状態で、30分間の飛行継続が可能なドライラン能力の向上、最大全備重量を1万2200ポンド(約5500kg)まで増加、マスト・トルク出力向上11%(飛行速度約111km/h・60ノット)などの性能改良によって、輸送能力と運航効率の向上を図った機体である。

 民間型試作機は、ベル社施設(カナダ・ミラベル市)で試験を重ね、2018年7月5日に米国連邦航空局から型式証明を取得した。(編集担当:吉田恒)