原酒不足が続く国産ウイスキー、限定シングルモルト2種発表、ニッカウヰスキー

2018年09月23日 18:41

Nikka Single Malt

それぞれ4000本の限定で発売となる「シングルモルト余市 マンサニーリャウッドフィニッシュ」と「シングルモルト宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュ」、各1万5000円(税別)、アルコール度数48%とやや高め

 アルコール飲料の消費が全般的に漸減するなか、国内ウイスキー需要だけは大きく伸長している。国税庁によると2017年のウイスキー消費量は、およそ6万2000キロリットルと前年に比べて109.0%と伸び、2018年1-5月消費も前年比112.0%とウイスキーに対する消費意欲は衰えない。

 しかしながら、アサヒビール・グループのウイスキー製造会社であるニッカウヰスキーによると、年年増え続けるウイスキー需要に呼応して「増産体制を敷くも、未だ原酒不足が続いている。なかでもシングルモルトウイスキーに代表されるプレミアムレンジへのニーズに対応するには、数年を要する」という。

 そのような状況下、9月26日から限定発売するシングルモルトウイスキーが発表となった。何とか国産シングルモルトファンに応えるための話題性ある商品のひとつとして提案するニッカウヰスキーの施策の一環である。

 今回発売するシングルモルトは、「シングルモルト余市」および「シングルモルト宮城峡」に、なめらかな甘さやビターな味わいを付与した製品。ウイスキー本来の樽熟成後に、シェリーのマンサニーリャを50年間熟成させていた樽で、18カ月間貯蔵・後熟成させたウッドフィニッシュモルトだ。同製品は、豊かで複雑な味わい残すため、ノンチルフィルタードと呼ばれる冷却濾過を行なわずにボトリングしている。

 「シングルモルト余市 マンサニーリャウッドフィニッシュ」は、力強く厚みのある味わいの「シングルモルト余市」を、マンサニーリャ樽で1年半後熟させ、フルーティな甘さとコク、香ばしいピートが調和した味わいが特徴だ。ピーチやパパイヤのようなトロピカルフルーツの香りと、ショートケーキを思わせる甘酸っぱい香りに加え、焚火を思わせるようなピートの余韻が感じられるモルトウイスキー。

 「シングルモルト宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュ」は、華やかで軽やかな味わいの「宮城峡モルト」を、余市モルト同様にマンサニーリャ樽で1年半後熟させ、まろやかな甘さとやわらかな苦みが調和した味わいを持つウイスキー。ドライフルーツや、ココナッツ、ミルクチョコレートを思わせる甘い香りに加え、樽由来の少しほろ苦い余韻が愉しめる。

 この2種のマンサニーリャウッドフィニッシュしたシングルモルトは、それぞれ日本国内4000本の限定で発売。700ml/本でアルコール度数48%、参考価格は1万5000円(税別)としている。(編集担当:吉田恒)