キャッシュレスで2%還元は暮らしを見ない愚策

2018年10月16日 06:42

 立憲民主党の枝野幸男代表は15日、来年10月1日に消費税を10%に予定通り引き上げると安倍晋三総理が同日表明したことに「この段階で決めることに全く理解できない」と消費不況から脱却できていない今の段階での表明に強い疑問を投げた。

 さらに、キャッシュレス決済で2%還元という政府の政策案について「全く暮らしの足元を見ていない、草の根を見ていないことの象徴的な『愚策』といわざるを得ない」と提起した。

 枝野代表は「まさにいつもやっている(安倍政権の)金持ち優遇」と指摘。「一番消費税で打撃を受けると思われる、例えば年金生活者の皆さんなどがカードを使って決済をすることに慣れていらっしゃるのか。その人達に無理やりカードを作らせるのか。なおかつ中小零細の小売業者がそれに対応できるのか」と庶民の暮らしの実態や中小零細業者の実態を知らないことからの「愚策だ」とした。

 枝野代表は消費税引き上げについて「中長期的な意味でも消費不況の状況から脱却できていない。心理的な要素の大きい消費不況の状況で消費税を上げれば経済に大変大きな打撃を与える。それは2度自民党政権が延期をした状況と何も変わっていない」と述べた。

 そのうえで「なんで今回は上げるのか。足元ではアメリカの株価が大きく下がっているという状況で、世界経済全体に対するリスクが高まっているのに、こういう判断を確定させるということに理解できない」と疑問視。「国会の様々な場面で問いただしていく必要があると思っている」と語った。

 また、枝野代表は「法人所得税とか、他の税目で税収が減っている分を穴埋めしていることになってしまっている」とし「社会保障の財源に充てるという約束が守られていない」とも問題視。

 加えて、今回の消費税引き上げの実施表明について「勘ぐれば参院選挙の直前にやっぱり上げないと言い出すのではないかという見方もある」と皮肉った。

 枝野代表は「中小の流通業者、小売業者の皆さんに様々な投資をこれから余儀なくさせるわけなので、そうなったときの責任は一層重いということも含めて、きちっと今上げる状況ではないということを迫って、1日も早く今日の閣議決定を撤回させることに向けて努力していきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)