携帯電話料金の引き下げに関して総務省で議論されている。事の発端は菅官房長官による携帯料金への指摘だった。他の国と比較すると高すぎるとの発言が取り立たされ、毎月の支払い金額に直結する事柄でもあるため国民からは大きな関心が寄せられている。
個人の通信料については年々増加傾向にあり、この10年間で2割もの上昇を見せている。このうち固定電話にかかる料金については減少傾向が見られる。それに対して大幅に増加しているのが携帯電話の通信費である。近年はスマートフォンも広く普及し、その影響もあり支出における携帯料金の負担割合は大きくなっていくばかりだ。
そういった背景も含めた菅官房長官の発言であったが、携帯電話の利用料金については2015年にも安倍首相が指摘をしている。景気回復の兆しがなかなか個人消費に反映されていない日本において、携帯料金の家計負担を減らしたい狙いもあった。
携帯電話料金は4割ほど値下げの余地がある。菅官房長官によるこの発言も国民が注目している点ではあるが、実際にそこまで引き下げられるのかと言われればすぐに実現可能なものではないだろう。金額だけを見れば確かに日本よりも遥かに低い料金で携帯電話を利用できる国はある。ただし日本の携帯電話は海外に比べて通信の質が良い事も間違いではなく、サービスの良さというメリットを得ているのも事実である。大手の携帯会社では良質なサービスの実行のために相応の設備投資も行っているため、料金についてはトータルで見て判断するべきとの考え方もあるだろう。
とは言え料金が安くなるのであれば消費者としては嬉しい事に違いはない。現代では誰もが持っている通信ツールであるからこそ、今後の動向にも注目が集まっている。4割の値下げがすぐさま現実となるのは困難であったとしても、2年縛りのデメリットについては見直すべきとの声も大きい。携帯各社による競争の促進にも触れられている部分はあるが、利用者にとってのメリットとなる方針が打ち出される事が望まれる。(編集担当:久保田雄城)