4月1日から働き方改革関連法が順次施行される。この4月から実施されるのは残業の上限規制や時期を指定した年休付与の義務化などである。この法施行に関連しリサーチ業のPR総研が全国の企業の従業員900名を対象に「働き方改革への取り組みに関する意識調査」を1月に実施、その結果を公表している。
調査結果によると、働き方改革を導入、実施している企業の割合は大企業、中小企業の全体で58.5%、規模別にみると従業員11名以上から5割を超え、101名以上の企業では7割を超える実施率となっている。働き改革の実施内容についてみると、「大幅な残業や過重労働の防止」が22.5%で最も多く、ついで「休日や休暇の充実」が21.0%、「労働時間の短縮」17.9%の順となっている。「5年程前と比べて職場やチームの雰囲気は変化したか」と尋ねた結果は、全体で42.1%がプラスに作用したと回答している。
中小企業のみの集計結果を見ると、実施内容では「大幅な残業や過重労働の防止」が38.6%で最も多く、次いで「休日や休暇の充実」36.0%、「労働時間の短縮」33.4%の順となっており、これら3項目の実施率は全体よりも中小企業の方が高くなっている。
効果については「効果があった」との回答は50.3%、半数以上で効果が感じられており、大企業も含めた全体の42%よりも高くなっている。具体的には「無駄な残業時間が減った」が22.4%と最多、次いで「休暇を申請しやすくなった」が21.6%、「長時間労働が減った」21.1%の順となっている。
「自分自身に良い効果があると感じるか」と聞いた結果では、「感じる」と答えた者が49.0%で約半数が自分自身の問題として効果を感じているようだ。世代別で見てみると、20代、30代でそれぞれ56%が「効果があった」と回答しており若い世代ほど効果を大きく感じているようだ。
未導入企業の従業員が「導入してほしい」分野は「休日や休暇の充実」が38.5%で最も多く、次いで「労働時間の短縮」の27.0%、「時短勤務やフレックスタイム制度など働き時間の柔軟化」19.5%となっており休暇や時短への期待が強い。
子育て、介護、出産などライフスタイルの変化や人間関係等への効果は未だ少数であるが、「職場の活気」や「自身の勤め先の推奨」の項目では導入済み企業での評価が高く、中小企業において「働き方改革」が社内意識改善に対して一定の貢献があるのは確かなようだ。(編集担当:久保田雄城)