イージス・アショアは米国防衛の為でない 総理

2019年10月09日 07:06

 日本共産党の志位和夫委員長は8日の衆院本会議代表質問で、秋田、山口に配備が計画されている陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の問題を取り上げた。

志位委員長は「米国の戦略国際問題研究所(CSIS)が(昨年5月、太平洋の盾、巨大なイージス艦としての日本、の論考の中で)配備の目的がハワイやグアムの防衛にあると言っている。北朝鮮からハワイへ向かうミサイルは秋田の上空を通過し、グアムへ向かうミサイルは山口の上空を通過する。秋田、山口への配備は米国防衛としか説明がつかない」と質した。

 またその導入費用を取り上げ「米国防衛のために6600億円もの血税を注ぐ。こんな馬鹿げた政策は中止すべき」と中止を求めた。

 志位委員長が取り上げた論考では「ハワイ、グアム、東海岸、その他の戦略的基地などの重要地域を弾道ミサイルなどから守るために、(日本の)イージス・アショアを使うことができる」それにより「(米国は)10億ドル(約1100億円)の大幅な節約になる」とも提言している。

 安倍晋三総理はこの質問に「現下の厳しい安全保障環境の中、弾道ミサイルの脅威から我が国全域を24時間、365日、防護するために必要な装備だ」と述べ「米国を防衛するために導入するものではない」と反論。導入費用についても適切な時期に公表すると述べた。

イージス・アショア導入を巡っては、ミサイル発射システムや最新鋭レーザーなど主要装置のほか関連施設を含むと2基で6000億円超といわれている。(編集担当:森高龍二)