森法相不信任に反対の自公と維新議員の責任重大

2020年02月28日 06:14

 東京高検の黒川弘務検事長の定年延長を図るために政府の従来の法解釈を変え、安倍総理の答弁に合わせて国会答弁を二転三転させてきた森まさこ法務大臣への不信任決議案が26日の衆院本会議に提出され、自民、公明と日本維新などの反対多数で否決された。

 しかし、時の政府が政府の都合で検察人事に深く介入する深刻な事態を作ったことは司法の独立性を著しく脅かす深刻な行為で、法治国家の基盤を壊す行為にもなることから、野党はじめ検察官の中から批判が出ている。

 不信任決議案の提出趣旨説明で今井雅人議員は「独立性の高い今回の黒川検事長の定年延長問題をめぐる森法務大臣の説明には従来の法解釈を変えてまで定年延長を行わなければならないという必要性や合理性の一片の説明もない」と指摘。

 そのうえで「ただたんに『検察庁法の条文をあらためてよく見たら、国家公務員法の定年延長制度を明確には適用除外していない』といったような趣旨の屁理屈を並べているだけだ。この問題は、まさにわが国の政治システムが法治主義なのか人治主義なのかを厳しく問うている」と問題の深刻さを指摘し「官邸の後押しを受けた検察官だけが出世できるという前例を作ってしまうことは、検察官の職務の公正さについての国民の信頼を地に落とすものと言わなければならない」と警鐘を鳴らした。

 そのうえで今井議員は「法治主義の先頭に立つべき法務大臣としての資格は森まさこ君にはまったくないと断言せざるをえない」と断じた。

 不信任決議案に賛成の立場から立憲民主党の小川淳也議員は「法の番人たるべき法務大臣の職責にありながら、わが国の法治国家と三権分立の原理に重大な挑戦を行い、その旨億面なく国会で答弁し、かつ旧来の解釈確認という、基礎的な手続きを怠り、国会での発言を二転三転、迷走し続ける姿はもはや見るに堪えない。本議案の審議を待つことなく、即刻、自ら身を処すべきことを求める」と自ら辞職するよう求めた。不信任決議案に反対した自民、公明、維新の議員の責任は非常に重い。(編集担当:森高龍二)