昨年夏の参院選挙で地元広島県の自治体議会議員や首長ら100人を超える人物に金を渡し、票の取りまとめや投票を依頼したとして公職選挙法違反(買収)で逮捕、起訴されている河井克行被告(衆院議員、前法相)と妻の案里被告(参院議員)=いずれも元自民党議員=の保釈請求に対し、東京地裁は26日、却下した。証拠隠滅を図る疑いがあると判断したもよう。却下は今回で3度目。
河井夫妻は25日の初公判で罪を認めず、無罪を主張。ネット上では「拘置所に入っている容疑者が給料・ボーナスを貰うのはおかしい。逮捕された時点で給料等は止めないと」と法改正を求める声や「有罪になったら、当選無効で、歳費を含めて全額返還してほしい」との声。「保釈請求却下は妥当な判断。証拠隠滅や口裏合わせ、証人への恫喝を許してはいけない」などなど、国会議員の身分にとどまり給与を受け続けていることや河井夫妻に対する不信感を示す書き込みが多い。
公判は「百日裁判」で審理されるが、被買収人に対する証人尋問などでも100人を超えることから結審、判決までには越年するとみられている。
河井両被告が買収に使った金額は約2900万円とされているが、自民党本部が参院選挙直前に河井被告側に提供した1億5000万円(国民の税から充てられる政党交付金を含む金)が原資になっているとみられていることから、自民党総裁としての安倍晋三総理に1億5000万円について、説明責任を求める声も強い。(編集担当:森高龍二)