新型コロナ自粛。家庭エネルギー消費が増加傾向。光熱費はエネルギー価格低下で減少

2020年08月30日 09:50

画・新型コロナ自粛。家庭エネルギー消費が増加傾向。光熱費はエネルギー価格低下で減少。

住環境計画研究所が新型コロナの家庭エネルギー消費への影響を分析

 新型コロナ予防対策としての全国一斉の外出自粛要請は解除されたというものの国民は未だ自粛ムードだ。外出を控える自粛生活を行えば自宅にいる時間が長くなり、電気代をはじめとする光熱費が増加することになろう。自粛生活によるエネルギー消費、光熱費の変化はどのようなものであろうか。

 コンサルタント業の住環境計画研究所が総務省の家計調査を用いて「新型コロナウイルスの感染拡大及びその防止に伴う家庭のエネルギー消費への影響」の分析を行い、そのレポートを8月20日に公表している。分析の対象となった期間は緊急事態宣言が発令された4月から解除後の6月までの2020年第2四半期だ。

 4~6月の世帯当たりの電気・都市ガス・プロパンガス・灯油を合計したエネルギー消費量は全国で9.09GJ(ギガ・ジュール)で前年同期の8.81GJから0.28GJ、率にして3.2%増加している。このうち電気の消費量は4.27GJで前年同期の4.16GJから0.11GJ、2.6%の増加となっている。気温の影響について考慮すると増加分0.28GJのうちの約3割が気温要因、残り約7割は気温以外の要因となる。この分析結果のみからは結論は出せないものの外出自粛の影響で家庭のエネルギー消費が3%程度増加した可能性は否定できない。

 家庭のエネルギー消費を金額ベースで表した光熱費を分析した結果では、4~6月四半期の世帯当たりの電気・都市ガス・プロパンガス・灯油の支払金額である光熱費の合計は4万9902円で、これを前年同期の5万0247円と比較すると0.7%、345円の減少となっている。

 家庭のエネルギー消費量が増加しているにもかかわらず金額ベースの光熱費が減少している理由はエネルギー価格の低下によるものと推測できる。実際、エネルギー価格の変動を考慮した実質ベースで光熱費の増減率を計算すると今年4~6月の光熱費は前年同月と比べ1110円、2.2%の増加となる。

 光熱費が消費支出に占める割合を計算すると6.3%で前年同期の5.7%から0.6ポイント増加している。この増加には消費支出全体が自粛生活で大幅に減少したことも影響していると想像できる。

 自粛生活は家庭のエネルギー消費を増加させる傾向があることは否定できないようだ。これが社会全体としてみた場合エネルギー消費が増加するのか減少するのか、また別の分析が必要である。(編集担当:久保田雄城)