汚染処理水の含有問題は「炭素14」か検証必要

2021年04月14日 06:04

 政府は東京電力福島第一原発事故により増え続ける放射能汚染水のトリチウムを含む汚染処理水を国基準値の40分の1以下にし、2年後をめどに海洋放出することを13日の関係閣僚会議で決めたが、問題は放射性物質トリチウムのみでなく、「炭素14」が含まれており「遺伝子損傷を引き超す危険がある」と国際環境NGOグリーンピース・ドイツのシニア原子力スペシャリスト、ショーン・バーニー氏が指摘していることだ。

 昨年10月、「東電福島第一原発、汚染水の危機2020」報告の中で「震災から10年近く経った今でも、東電と日本政府は福島第一原発の危機の大きさを隠蔽している」とし「彼らは汚染水に含まれる放射性物質の詳細な情報を何年にもわたって意図的に隠してきた」と報告。

 そのうえで「日本政府は福島県民をはじめ日本に住む人々、近隣諸国に対して、太平洋に投棄される汚染水に危険なレベルの『炭素14』が含まれていることを説明していない」としている。

 ショーン氏は「水中に含まれる他の放射性核種と合わせて、遺伝的損傷を引き起こす可能性があり、何千年もの間、危険な状態のままであり続ける。これが、(海洋放出の)計画を中止しなければならない一つの理由」と報告した。

 また報告書でショーン氏は「炭素14の半減期は5370年。数千年にわたって環境中に存在し、炭素はすべての生物に基本構成要素として組み込まれることから、長期的に見れば集団被曝線量の主な要因となる。このため炭素14は人間の細胞DNAを損傷する可能性がある。これについて日本政府と東電はタンクに貯蔵されている123万トンもの汚染水は『処理済み』でトリチウムしか含まれていないととれるような説明を続けている」と伝えるべき情報を伝えていないとしている。海洋放出前に徹底検証が求められよう。(編集担当:森高龍二)