お洒落な旅に、お洒落なスーツケースは欠かせない。着替えや荷物を入れて運ぶという本来の使用目的だけでなく、旅の大切なパートナーとして、スーツケースにも美しさや個性は求めたいものだ。
ところが、どんなにお気に入りでピカピカのスーツケースでも、一度でも旅に出てしまうと、旅の途中でどうしても傷ついてしまう。旅行先や利用した航空会社によっては、旅から帰ってきた頃には傷だらけの無残な姿になっているなんてことも珍しくない。
これまで「仕方がない」と諦めるしかなかったスーツケースの傷。でも、この傷がもしも、自動的に修復されるとしたら……?そんな夢のような望みを叶えてくれるスーツケースが、昨年5月に誕生した。それが、サンコー鞄のスーツケース「SUPER LIGHTS MG Premium」だ。
サンコー鞄は、明治26年創業の、100年以上の歴史を持つ老舗の鞄メーカー。その老舗が技術の粋を結集し、満を持して世に送り出したスーツケースには、ボディ表面に特殊なコーティングが施されている。傷がつきにくく、多少のすり傷なら復元するこの「自己修復塗装プレミアムコート」は、異なる成分を合成した特殊な樹脂を使うことで、塗膜が破壊されても変形して、表面の擦り傷程度の僅かな傷なら、低反発マットの原理によって、およそ60秒で自己修復してくれるすぐれものだ。
この塗装は、最近の高級車の塗装面でも採用されているものとほぼ同質だが、金属面ではなくスーツケースのポリカーボネイト素材に合うように、樹脂成分の配合を工夫したり、定着にかかる時間や乾燥なども試行錯誤を繰り返し、老舗の技術と経験を持ってしても、製品化できるまでに1年半もの開発期間を要した。その甲斐あってか、12年5月に発売するやいなや話題を独占し、一年近く経った今でも品薄状態が続いている。
もともと、この「SUPER LIGHTS MG」は、極軽スーツケースで絶大な人気を誇るブランドだ。実際に試してみた消費者の意見では、傷が直ることにももちろん驚いてはいるが、実はそれ以上に、見た目からは想像できないほど、軽くてハンドリングしやすいことが喜ばれている。人気のヒミツは、特殊なコートによる見た目の維持や手入れの手軽さだけでなく、スーツケース本来の使い勝手が追求された「本物」であるからなのだ。
サンコー鞄は、老舗という看板だけにあぐらをかくようなことはせず、常に最先端を走り続けている。たとえば、日本で一番早くTSA LOCKを搭載したスーツケースを発売したのも、このサンコー鞄だ。面白いのは、同社のサイトをたずねてみると「QUALITY 品質管理情報」というページがあることだ。そして、そのページのヘッドにはこう書かれてある。「お客様の視点で、お客様により快適な旅行を楽しんでいただくために、私たちは常に進化する商品管理に取り組んでいます」
老舗には、老舗になるべくしてなった理由や姿勢があるのだ。サンコー鞄「SUPER LIGHTS MG Premium」の値段は、約55Lで実勢価格3万450円、約72Lで実勢価格は3万2550円、約97Lで実勢価格3万4650円と、他と比べると数字的には少し高めかもしれないが、それだけの価値と、旅のパートナーとしての安心は充分に備えているだろう。(編集担当:藤原伊織)