国民の命と健康守れなければ五輪やらない 総理

2021年06月08日 06:50

 菅義偉総理は7日の参院決算委員会で、東京五輪パラリンピック開催に関して「国民の命と健康を守るのが私の責任だ」としたうえで「(国民の命と健康を)守れなければ(五輪は)やらない。これは当然のことだ」と答弁。しかし、開催基準の具体的数値は示さないままだった。立憲民主党の福山哲郎幹事長の質問に答えた。

 一方、福山氏が「開催を可能とする医療体制、感染者数、そういった仕様や判断基準を示す必要があるんじゃないか」と五輪開催の判断の具体的基準を質したのには、菅総理は「世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催の前提条件」などと具体的な基準値は示さなかった。

 また福山氏は政府のコロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)に正式にオリンピックの条件をどうしたらいいのか諮るべきだと求めた。理由について、福山氏は「これまでの緊急事態宣言の、例えば人流を抑えること、飲食店問題、国民全部が分科会の提言を受けてやってきたからだ」とした。これに西村康稔担当大臣は「専門家の意見を聞いて判断する」としか応じなかった。

 福山氏は「オリンピックをやったら日本の感染拡大が広がって逆効果だった。人の命が危なくなったという状況になることを私は非常に恐れている。国会を延長して、こういった議論をちゃんとやっていただくことをお願いしたい」と国会会期の延長をし、議論をしていくことを求めた。(編集担当:森高龍二)