東京都の小池百合子都知事が19日、東京五輪・パラリンピック大会の期間中に都内で予定していた「パブリックビューイング」(PV)をすべて中止すると、開幕まで1か月あまりになって、やっと決断した。小池知事は、一部はコロナワクチン接種会場に使用するとしている。
パブリックビューイングを巡っては人流抑制を図らなければならない状況で、人流増を招くことになり『おかしい』『やめてほしい』などの声が相次いだほか、いち早くワクチン接種会場に変更するとした「代々木公園」でのPVに続き、井の頭公園についても地元自治体が中止するよう要望書を出していた。
都は他にも、日比谷公園、上野公園、調布駅前、都立大キャンパスなどで計画していたが、人流増につながることから残念することとした。
人流抑制では五輪の大規模競技会場の観客上限数をどこまで抑え込めるかが今後の焦点になる。
五輪組織委の橋本聖子会長は18日の記者会見で「21日の五者協議で決定する」と語ったが、その際「政府が示すイベントの上限に則って決めていきたい考えに変わりはないので、収容人数の50%以下で最大1万人という上限と、そして、五輪においてはより厳しい条件が求められているということを踏まえながら、よく整理をして決めていきたい」と語った。
このため、現実的には1万人から何千人を削減できるのかが、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家の提言を真摯に受け止めたかどうかに現れることとなる。1万人を上限とした場合には橋本会長への批判はもちろん「専門家の意見を伺って」といつも口にする菅義偉総理に対しても、意見軽視のそしりは免れず、批判の声があがるのは必至だ。(編集担当:森高龍二)