総理の五輪開催大丈夫は「プライドか、経済か」

2021年06月20日 08:25

 菅義偉総理は17日の記者会見で、東京五輪・パラリンピック開催について海外メディアから「ワクチンがあっても100パーセント安全性を確保することはできない。マスコミも選手たちも自己責任で参加する。無償でのマスク確保は難しい。ホテルも隔離施設でなく、そのノウハウとか、徹底した対策を採るのは無理がある。参加者の行動をGPSで管理すると言ってもスマホの位置情報であり、人間の行動と異なる。結局、感染対策が不十分と言う専門家が多い」と指摘されたうえ「リスクや死者が出るリスクがあっても総理大臣は開催するのは大丈夫と思っているのか、理由は何か。ノーと言えないことか。それともプライドか。経済が理由か」と質された。

 菅総理は「ノーもプライドも経済でもない。しっかり、日本においては、そうした外国から来られた方を、感染対策を講じることができるからだ」と答えた。

 感染対策の具体的措置に菅総理は「選手を始め関係者の皆さんはワクチンを打って来られる。そうした人たちも日本に入る前に2回PCR検査、入国時に検査、それから3日間、また、選手は毎日検査する」とPCR検査を徹底することをあげた。

 次に海外からのメディア関係者に関して「貸切りホテルに入っていただいて、組織委員会でそのメディアの人たちに対応する職員によって(管理)。さらに移動については車両で移動する。車両運転手についてもワクチン接種し、心配のないような形、あるいはアクリル板で運転席と客席を離したところでやる。そういう対応をしっかりやる。これについて守ってくれない人は国外退去もしてもらう」と説明し「海外から来られた方は(リスクは)非常に少ないと思う」とした。

 五輪組織委はメディアだけでなく、選手を含めアレクディテーション(資格認定証)所有者にスマホのGPSを活用した行動管理をするとしている。しかし、海外メディアが指摘するようにスマホによるGPS「位置情報」と実際の行動がすべてイコールとは言えない。GPSひとつをみても、どこまで実効性のある管理ができるのか疑問で、総理答弁からは安全安心の説明は引き出せていない。(編集担当:森高龍二)