コロナ倒産2000件超。増加ペース加速。宣言等の発令地域外にも波及。

2021年09月09日 06:59

画・コロナ倒産2000件超。増加ペース加速。宣言等の発令地域外にも波及。

東京商工リサーチが8月31日、「新型コロナウイルス」関連破たんが累計2000件に達したと発表。倒産件数は7カ月で倍。発生ペースが加速。宣言発出や重点措置のない地域で増加率が高まっている。

 コロナ禍の長期化で企業の経営体力は確実に奪われてきている。2020年中は各種資金繰り支援策が奏功し企業倒産件数は歴史的な低水準を記録した。しかし、今年に入りコロナ関連倒産は増加傾向に転じ、春以降は先行き不透明の中で自ら破綻を選択する「あきらめ型倒産」が急増、関連倒産の発生ペースは加速しているようだ。

 8月31日、東京商工リサーチが「新型コロナウイルス関連破たん調査結果」において、関連倒産件数の累計(負債額1000万円以下も含む)が2000件に達したと発表している。20年2月に第1号が判明して以降、約1年後の21年2月に1000件に達した後、毎月100件を超える高水準が続いており、特に春以降は4月と6月に165件と過去最高を記録し、8月も137件と高水準で累計2000件を突破、今年2月からの7カ月で累計件数は倍になっている。9月も3日までに負債1000万円以上の破綻は30件判明しており高いペースが持続しているようだ。

 業種別にみると、やはり自粛ムードによる来客数の減少や営業制限などで打撃を受けた飲食業が347件で最多、次いで工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が185件、小売店の業績悪化の影響を受けたアパレル関連の製造や販売業の162件と続き、また、インバウンド需要消失や旅行や出張の自粛の影響が直撃した宿泊業が92件、飲食業の不振で間接的影響を受けた飲食料品卸売業の89件などが上位を占めている。

 9月2日発表の同社レポートによると、累計が1000件を超えた2月以降では地域的な変化が生じている模様だ。1000件到達時と2000件到達時の地域別内訳を見ると、東日本での増加率は92.8%増と2倍を下回っているのに対し、西日本では113.7%増と2倍を超えており、西日本での増加ペースが加速しているようだ。都道府県別で増加率を見ると、香川県が316.6%増で最多、次いで愛媛県300%増と4倍超になっており、山梨県が1件から4件で300.0%増、鹿児島県266.6%増と続き、西日本での増加率拡大が目立っている。

 9月2日現在で見ると、宣言が発令されている21都道府県での増加率は96.6%増、まん防措置の12県では117.5%増、宣言もまん防も出されていない14県で111.2%増となっており、宣言発令地域より、むしろ支援策が乏しい発令のない地域での破綻が加速しているようだ。コロナ禍の長期化によって関連破綻がジワジワと地方へ拡大している模様だ。(編集担当:久保田雄城)