日本共産党の志位和夫委員長は17日、岸田文雄総理が施政方針演説で「新自由主義の弊害を是正する仕組みを『成長戦略』と『分配戦略』の両面から埋め込み、資本主義がもたらす便益を最大化する」と語った点について「格差是正の仕組みを壊したのが自民」と指摘した。
そのうえで、自民党政権が行ってきた結果であることへの「反省があるのか、転換する意思があるのか、聞いていきたい」と自民党政権が生んできた新自由主義の弊害是正への総理の真剣度を国会論戦の場で浮き彫りにしていきたい考えを示した。
志位氏は「戦後の日本資本主義には不十分ながら格差是正の仕組みがあった。雇用は直接雇用中心。派遣は一時的・臨時的業務に限る。社会保障で所得の再配分。税制は直接税中心。それを壊したのが自民党だ」と断じた。
志位氏は「岸田総理は新自由主義の弊害ということを言われたが、歴代自民党の政権によって行われた新自由主義的政策による弊害とは何なのか。大変印象深かった部分は新自由主義の弊害を是正する仕組みを資本主義の中に埋め込むという点。格差を是正する、貧困を是正する。その埋め込まれていたものを掘り起こし、片っ端から壊していったのが自民党政権の新自由主義政策だった」と指摘した。
その具体例に雇用政策をあげ「雇用を派遣に代替させちゃいけない」と指摘。「派遣労働は一時的臨時的業務に限るということが埋め込まれていた。それを(自民政権は)自由化をやってしまった。その結果、4割もの非正規(を生んだ)という現実がある」と語った。(編集担当:森高龍二)