日本共産党は機関紙「赤旗」3月22日電子版で、鹿児島県西之表市の馬毛島で計画されている米軍艦載機の離発着訓練と自衛隊が使用する空母型艦載機の離発着訓練施設を備える「馬毛島基地」について、防衛省が明らかにした米軍と自衛隊の飛行回数が年間最大2万8900回に上ると報じた。
自衛隊が2万3500回、米軍が5400回。時間帯では両方合わせて、午前7時~午後7時までが2万1800回、午後7時~10時までが6500回、午後10時から翌7時までが600回。午後10時~7時までの飛行は米軍のみで、自衛隊は控えるとしている。
令和2年11月に防衛省が示した馬毛島基地に関する説明資料によると、航空自衛隊がF35、F15、F2などの戦闘機で連続離着陸訓練は年間50日、模擬艦艇発着艦訓練がF35B戦闘機で年間100日、海上自衛隊がP-1などの哨戒機を主に年間50日程度としている。
訓練は「馬毛島を中心として半径5海里(約9キロメートル)程度の範囲で実施する」としており「緊急時などを除き、種子島上空を飛行経路にすることはない」と明記。
そのうえで、馬毛島と種子島は約10キロメートル離れているので、航空機騒音も限定されると説明する。
米軍艦載機、自衛隊空母型艦載機、ともに実効性を持たせるには米軍パイロットも、日本のパイロットも、日常的な訓練継続なしに的確、瞬時の判断、技術の発揮はできない。幸い馬毛島は無人島で、種子島から10キロメートル離れた位置にある。島の特性から島嶼(とうしょ)防衛に役立つ訓練実施が可能。
防衛省は訓練施設、飛行場施設、港湾施設を一つの場所に設置できる広さがあり、陸海空を一体的に活動する統合運用ができるメリットも、馬毛島に基地を設ける意義を語る。加えて、南西諸島に位置することから同地域の防衛体制強化につながるメリットがある。
ただ、最も懸念されているのは「騒音」への懸念だ。地元理解を得るうえでも、生態系への影響を最小限にとどめるためにも、最も配慮しなければならない『環境』負荷を軽くすること。「騒音」に対して、防衛省は日米航空機の離発着時の騒音レベルは馬毛島から10キロメートル(西之表市西南部)地点で離陸時約80デシベル、着陸時約60デシベルとしている。80デシベルはパチンコやゲームセンターなどの店内の音、救急車の音レベル。「極めてうるさい」と感じるレベル。救急車の音を聞いて「うるさい」と感じる人はいないだろうが、よく聞こえる音であることは確かだ。連続しての80デシベルではないが、騒音対策は、後日、訴訟沙汰にならないよう、地元住民のために最大限理解を得られる努力、対策が必要だ。政府・防衛省には真摯にその対応を期待したい。(編集担当:森高龍二)