日本提出の核兵器廃絶決議案、国連委が採択

2022年11月02日 06:23

 日本が国連総会第一委員会に提出していた核兵器のない世界に向けた共通のロードマップ構築のための取組みと題した決議案(核兵器廃絶決議案)が10月31日、米国、英国、フランスを含む139か国の賛同を得て採択された。反対はロシア、中国、北朝鮮など6か国、棄権は31か国だった。12月上旬の総会本会議で正式採択になる予定。

 松野博一官房長官は「決議案は8月のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議の議論を踏まえ、我が国として、核兵器のない世界を実現するうえでの現実的かつ実践的な取組みの方向性を示す必要があるとの認識の下、会議で岸田文雄総理が提出した『広島アクションプラン』の内容を踏まえつつ、核兵器不使用の継続や透明性の向上のための不拡散条約の重要性などを国際社会に呼び掛けるもの」と説明。

 松野官房長官は「核軍縮を巡る国際社会の分断が広がる中、決議案が核兵器保有国の米国、英国を含む様々な立場の国の支持を得て採択されたことは大きな意義がある」と語った。

 松野官房長官は「この決議案を通じ、来年、広島で開かれるG7サミットも念頭に核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の機運を一層高めるとともに、現実的かつ実践的な取組みを粘り強く着実に進めていく考えだ」と強調した。また、決議案では核兵器禁止条約にも触れた。(編集担当:森高龍二)