日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は、11月1日から米国で開催されているSEMA(Specialty Equipment Market Association)ショーにおいて、「Nissan Z」(フェアレディZ)をベースとしたカスタマー向けのレース車両「Nissan Z GT4」を一般公開した。
NMCのNISMO Racing事業部は、日本およびアメリカでのテストや実戦走行を重ね、プロからジェントルマンドライバーまで、幅広いレベルのドライバーにZらしいダイナミックな走りが愉しめるよう、GT4仕様のNissan Zを開発してきた。
今回、SEMAショーで一般向けに初公開した「Nissan Z GT4」の主要諸元は、9月に公開した日本仕様では未公表だったボディサイズ全長4380mm(172.4 in.)×全幅1870mm(73.6 in.)、重量1410kg(3108 lbs.)である。搭載するパワーユニットは2997cc・V型6気筒DOHCターボで、最高出力&最大トルク・330kW(450hp)/600Nmなどが公表となった。
公開車両は日産&NISMOのヘリテージとモダンさを融合した特別なカラーリングを採用したモデルだ。ボンネットのデザインは1970年代のレースマシーンのカラーリングを想起させ、日産のゼッケンナンバー「23」が、昇る太陽をイメージした赤い円の中に配置した。
また、リヤに向かってボディカラーは日産&NISMOのアイコニックな赤から黒に変化し、リヤクオーターパネルにはかつての「240Z」や「フェアレディZ」のエンブレムをモダンにデザインし直した新しい「Z」のロゴが配されたボディを纏って登場した。
Z GT4のデビューイヤーとなる2023年シーズンは、アメリカで開催される「SRO Pirelli GT4アメリカシリーズ」と、日本の「スーパー耐久シリーズ」に参戦を予定するパイロットカスタマーチームに車両を供給。NISMOがサーキットでのテクニカルサポートを行なう。
また、参戦を検討するチームや一般ユーザー向けには、2023年半ばより受注を開始し、2024年シーズンから順次車両を供給する予定だ。
日産のスポーツカー担当グローバルプログラム・ダイレクターのマイケル・カルカモ氏によると、「Z GT4はアメリカでテストを行ない、2023年シーズンに向けた準備を着々と進めている。今後も各チームと話し合いを続け、世界中のサーキットで『Z』が注目される存在になることを期待している」と述べた。(編集担当:吉田恒)