飲食料品や電気料金を中心に物価高騰が続いている。帝国データバンクのレポート(12月21日)によれば、2022年は「記録的な値上げ」の年となっており、さらに23年は22年の1.5倍超のペースで値上げが続き、値上げラッシュは長期化するという見通しを示している。すでに、いくつかの調査で値上げラッシュによる家計への打撃を受けて、消費者の節約ムードの高まりが指摘されているが、Q.E.D.パートナーズのリサーチによれば、物価高騰を受けて「節約をしている」と回答した者は9割を超え、さらにこの数か月で食費・光熱費などを中心に「節約意識が高まった」という者も9割近くに達している。
12月15日、買取専門業のQ.E.D.パートナーズが女性194名を対象に12月上旬に実施した「2023年以降の家計について」、「節約意識の変化」に関する調査の結果を公表している。回答者の年齢構成は30代が32.0%、40代33.5%で、30~40代で65.5%を占めている。「節約する努力をしているか」という問いに対しては、「節約している」との回答割合は36.1%、「多少は節約している」が56.7%となっており、両者を合わせて92.8%と9割超が程度の差はあれ節約を意識しているようだ。「値上げラッシュ」を受けて直近3ヶ月程度で「節約への意識が高まったか」という質問に対しては、「高まった」との回答は89.7%で9割近くに達している。「節約を最も意識しているもの」について聞いた結果では、やはり「食費」が39.2%で最も多く、次いで「衣服代」が24.0%、「光熱費」20.1%、「娯楽費」13.0%、「スマホ代」3.6%の順となっている。
「23年以降の家計のイメージ」については、「苦しくなりそう」が83.0%と8割を超えており、「変わらなそう」は15.5%、「楽になりそう」はわずか1.5%のみだ。自由回答欄を見ると、「電気代や食費の高騰を感じる」、「値上げばかりで収入があがらない」、「とても物価が上がっているのに、給与は変わらないから」、「給料は上がらなそうだし、増税の噂がある」、「値上げがまだ続きそうで、エネルギー問題も解決しなさそう」などとなっている。これらを見ると、やはり賃金上昇が見込めない中で、値上げラッシュが続いており、原料・燃料高騰が収まる気配も見えず、家計防衛のため消費者が節約意識を強めている様子がうかがえ、さらに最近の増税議論も節約強化に拍車をかけているようだ。(編集担当:久保田雄城)