今回のニュースのポイント
財務省が11日に公表した「対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)」によると、5月31日〜6月6日の期間における海外投資家(非居住者)による日本の株式・投資ファンド持分は7,010億円の処分超(売り越し)となり、2週連続の売り越しを記録しました。一方、国内投資家(居住者)による海外の株式・投資ファンド持分も9,436億円の処分超となり、3週連続の売り越しとなっています。国内外の双方が株式市場からポジションを縮小させる資金流出の実態が最新統計から明らかになりました。
本文
「対外及び対内証券売買契約等の状況」は、日本国内の投資家と海外の投資家が、株式や債券といった資本市場の各アセットをどの程度売買したかを週次ベースで網羅した統計です。日々の株価指数や為替レートといった価格そのものの変動とは異なり、指定報告機関を通じて「実際の投資資金が市場間でどのように移動しているか」という需給のフローを直接把握できる公的統計として位置づけられます。
今回発表された最新週において、海外投資家は日本市場に対して慎重な姿勢を示しました。非居住者による日本の株式・投資ファンド持分は7,010億円の売り越しとなり、前週の▲4,915億円からさらに処分規模を拡大させ、2週連続の売り越しとなりました。また、中長期債投資においても1兆385億円の処分超へと傾き、3週ぶりの売り越しへ転じています。その一方で、短期債投資は8,576億円の取得超(買い越し)となっており、流動性の高い短期資産への資金配分が目立つ結果となりました。
海外勢の動きに呼応するかのように、日本の国内投資家も海外市場からの資本引き揚げを継続しています。居住者による海外株式・投資ファンド持分の売買動向は9,436億円の売り越しを記録し、3週連続の処分超となりました。ただし、海外の債券市場に対するアプローチには変化がみられ、前週に▲1,844億円の処分超だった中長期債投資は1,975億円の取得超へと転じたほか、短期債投資も423億円の取得超を維持しています。国内勢の資本フローからは、リスク資産とされる海外株式の保有高を削減する一方で、中長期債を中心とした金利資産へ資金配分を再構築しようとする動きが示唆されています。
株価指数は市場の結果を示す数字ですが、今回の週次統計は国内外の投資家がともに株式セクターの買いポジションを縮小させ、利益確定やポートフォリオ調整を進める姿勢もうかがえます。為替や国際情勢を巡る不透明感が拭えないなか、海外勢が日本株および中長期債を売り越す一方で、日本勢も海外株を売り越しており、市場全体で積極的なリスクテイクよりポートフォリオの調整が優先される地合いにあります。一週間の数字から相場のトレンドを決定づけることは慎重であるべきですが、投資家別の需給動向を追うことで、現在の市場心理や資本の選好度を推し量る重要な手掛かりとなります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













