今回のニュースのポイント
白鶴酒造は、小規模醸造所「HAKUTSURU SAKE CRAFT」で、自社開発の酒米「白鶴錦」を100%使用した純米大吟醸を限定発売します。「HAKUTSURU SAKE CRAFT」は、純米大吟醸などの日本酒から、ホップや果実などを使ったその他の醸造酒まで、多様な酒造りを試す実験・検証の場として運営されています。小規模生産そのものが目的ではなく、酒米や酵母、精米歩合、季節条件などを柔軟に組み合わせ、新たな知見を商品開発へ生かす役割を担っています。
本文
白鶴酒造は、同社資料館内の小規模醸造所「HAKUTSURU SAKE CRAFT」の新商品として、「HAKUTSURU SAKE CRAFT No.20 純米大吟醸7月醸造」を2026年7月25日から白鶴酒造資料館限定で267本発売します。本商品は原料米に兵庫県多可町中区東安田産の「白鶴錦」を100%使用した純米大吟醸で、同社によると、熟れたリンゴのような甘い香りと、夏季醸造による酸味が特徴とされています。
同シリーズではこれまで、ホップや果実などを用いたその他の醸造酒も展開してきましたが、純米大吟醸や大吟醸といった特定名称酒と呼ばれる日本酒もシリーズ開始当初から味わいを変えて繰り返し醸造されてきました。今回の商品は、多様な酒造りの一環として、改めて白鶴錦と純米大吟醸の組み合わせに焦点を当てたものと言えます。
「HAKUTSURU SAKE CRAFT」は約37平方メートルのマイクロブルワリーで、1回当たり720ミリリットル瓶200~300本程度という少量単位で酒を醸造しています。しかし、その役割は単に小規模な限定商品を造ることではありません。酒米や酵母、精米歩合、醸造時期などの条件を柔軟に組み合わせながら試験醸造と商品化を繰り返し、その過程で得られた知見を今後の商品開発へ生かす実証の場として位置付けられています。
同シリーズでは、ホップや果実などを使った「その他の醸造酒」が注目される一方、純米大吟醸や大吟醸といった特定名称酒もシリーズ開始当初から継続して醸造されています。今回の商品は新たな方向へ転換したものではなく、多様な酒造りを並行して進める取り組みの一例として、「白鶴錦」と純米大吟醸の組み合わせを改めて商品化したものといえます。
今回使用された「白鶴錦」は、白鶴酒造が独自に交配・育種した酒米で、山田錦の兄弟品種に当たります。兵庫県多可町東安田地区では、生産者と同社の研究担当者が協力しながら栽培技術を積み重ね、品質や収量の安定化を図ってきました。白鶴錦は品種開発だけで完成した酒米ではなく、産地との継続的な取り組みによって実用化された品種です。
HAKUTSURU SAKE CRAFT」の取り組みは、伝統的な製法の“日本酒”か米以外の原料も使う“その他の醸造酒”かという二者対立を示すものではありません。自社開発の酒米、独自酵母、精米歩合、発酵制御(米以外の原料)などを掛け合わせながら、少量単位で異なる試みを継続している点に特徴があります。小規模醸造を通じて得られた知見が、今後の商品開発や白鶴錦の活用へどのように生かされていくのかが、今後の注目点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













