教育・保育施設等の重大事故3,130件 骨折防止にも安全対策広がる

2026年07月29日 16:25

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教育・保育施設では日常の活動の中で発生する重大事故の防止が課題となっている。(写真はイメージ)

今回のニュースのポイント

こども家庭庁が公表した「令和7年教育・保育施設等における事故報告集計」によると、国に報告された重大事故は3,130件で、前年を61件下回りました。死亡事故は1件でした。一方、負傷等3,129件のうち骨折が2,533件と81.0%を占めています。国はこれまで、睡眠中の窒息や誤嚥、プール活動、送迎バスへの置き去りなど、死亡につながり得る事故への対策を進めてきました。令和7年度には骨折事故防止の調査研究と啓発資料の作成にも取り組んでおり、安全対策の対象を日常の活動で多発する重大な負傷事故へ広げています。

本文
 こども家庭庁は7月29日、2025年(令和7年)に教育・保育施設や放課後児童クラブなどから国へ報告された重大事故の集計結果を公表しました。国への報告対象となる重大事故は、死亡事故のほか、あらゆる刺激に反応しない状態となった意識不明事故、および治療期間が30日以上となる重篤な負傷や疾病を伴う事故と定義されています。公表された報告総数は3,130件で前年を61件下回り、このうち死亡事故は1件(前年比2件減)、負傷等は3,129件(同59件減)でした。国は死亡につながり得る事故への対策を続けながら、日常の活動で多発する骨折事故の防止にも取り組みを広げています。

 今回の集計で割合として最も大きい要素となったのが骨折です。負傷等3,129件の内訳は、骨折が2,533件、指の切断や歯の損傷など「その他」が569件、火傷が19件、意識不明事故が8件となりました。骨折の件数自体は前年から5件減少したものの、負傷等全体に占める割合は81.0%となり、前年から1.4ポイント上昇しています。件数自体はほぼ横ばいながらも、重大な負傷事故の大半を骨折が占める構造が続いています。

 発生場所については、全体3,130件のうち約9割にあたる2,799件が施設内で発生しました。施設内の内訳を見ると、園庭などの室外が1,400件、保育室などの室内が1,399件とほぼ同数になっており、園外活動中(331件)よりも日常を過ごす施設内で多く発生していることが分かりました。室外だけでなく室内でも同程度の事故が報告されていることから、施設内の環境整備や日常的な見守りのあり方について検討が求められます。

 これまで国は、睡眠中の窒息やプール活動での溺水、食事中の誤嚥、送迎バスへの置き去り、園外活動時の見落としなど、生命に関わる事故の再発防止策を重点的に進めてきました。令和7年の死亡事故報告は1件でした。ただし、単年の件数だけで対策全体の成果を判断することはできません。国はこうした死亡につながり得る事故への対策を継続する一方、令和7年度には新たに骨折事故防止に関する調査研究を実施し、現場向けの啓発資料を作成するなど、発生件数の多い重大な負傷事故へ対策の対象を広げています。

 今回の集計で注目されるのは、報告総数が前年を下回ったことだけではありません。負傷等の8割を骨折が占め、施設内では室内と室外の双方で多く発生していることが分かりました。国の安全対策はこれまで、死亡につながり得る事故を中心に強化されてきましたが、こうした対策を継続する一方、令和7年度には日常の教育・保育活動で起きる重大な負傷事故にも対象を広げています。骨折事故防止の調査研究と啓発が行われたことは、その動きを示しています。

 今後は、骨折事故の発生要因の分析を踏まえた予防策が現場へどのように浸透するかに加え、安全対策が子どもの成長や遊びの機会との両立を図りながら進められるかも注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)