高速道路を走行する車両。内閣府の「道路に関する世論調査(速報)」では、料金徴収期間満了後の高速道路の維持修繕・更新費について、50.0%が「通行料金でまかない、ある程度の税負担もやむを得ない」と回答した。(画像はイメージ)
今回のニュースのポイント
内閣府が公表した「道路に関する世論調査(速報)」によると、高速道路の料金徴収期間満了後も必要となる維持修繕・更新費の負担方法について、50.0%が「通行料金でまかなうべきだが、ある程度は税金でまかなうこともやむを得ない」と回答しました。また、自動車利用者が費用を負担する考え方については、「やむを得ない」が53.2%を占め、「適切である」(12.9%)を大きく上回りました。高速道路をめぐっては老朽化対策等のため最長2115年9月30日まで料金徴収を行える制度枠組み(2023年改正法)が存在するなか、今回の調査は料金満了後の維持更新費に対する国民の意識構造を数字で示しています。
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内閣府政府広報室は、全国の18歳以上の日本国籍を有する者3,000人を対象に実施した「道路に関する世論調査(速報値、回収数1,522人)」の結果を公表しました。本調査は道路施策に対する国民の意識を把握することを目的としており、今回は特に老朽化が進む道路インフラの維持管理や費用のあり方に関する意識が浮き彫りとなっています。なお、公表されたデータは速報値であり、確定値(確報)において修正される可能性があります。
注目されるのは、高速道路の料金徴収期間が満了した後に必要とされる維持修繕および更新費用の負担方針に関する意識です。現在の制度では料金徴収期間満了後は無料化され維持修繕費用を税金で賄う枠組みとなっていますが、この将来のあり方を尋ねた設問において、最多の50.0%が「高速道路の通行料金でまかなっていくべきだと思うが、ある程度は税金でまかなうこともやむを得ない」と回答しました。他の選択肢では、「税金でまかなっていくべきだと思うが、ある程度は高速道路の通行料金でまかなうこともやむを得ない」が28.6%、「税金ではなく、高速道路の通行料金でまかなっていくべき」が16.4%、「全額税金でまかなっていくべき」が4.2%となりました。今回の調査は高速道路の無料化そのものの妥当性を直接問うたものではなく、料金満了後の維持・更新費を誰がどのような比率で負担すべきかについての意識を測ったものです。
また、中長期的な道路整備や維持修繕・更新の費用を自動車の利用者が負担するという考え方自体についての設問では、「やむを得ない」との回答が53.2%と半数を超えました。これに対し「適切である」は12.9%にとどまり、「不適切である」は32.8%でした。利用者が負担することを「適切」とする回答よりも、「やむを得ない」とする回答が大きく上回る結果となりました。
日本の高速道路制度は元来、建設に伴う導入債務を通行料金の収入によって償還(返済)した後に無料開放することを原則として整備されてきました。しかし、点検強化によって重大な損傷の発見が相次ぎ、抜本的な更新事業や国土強靱化などに対応する財源を確保するため、2023年(令和5年)の関連法改正(道路整備特別措置法等の改正)により、料金徴収期限を最長で2115年(令和97年)9月30日まで設定延長できる仕組みへと改定された経緯があります。今回の世論調査は、こうした制度的背景のなかで、将来的な維持更新費の負担構造について国民がどのような認識を持っているかを示すデータとなります。
意識調査では高速道路以外の道路インフラ全体の維持・集約に関する設問も設けられています。全国に約73万橋存在する道路橋について、人口減少等により利用者が少なくなった場合の対応を尋ねたところ、「自転車・歩行者専用とするなど、橋の規模を縮小し残すべき」が39.2%で最多となり、「少数でも利用者がいれば、修繕などを引き続き行い残すべき」が33.3%、「迂回路を示した上で撤去すべき」が25.8%と意見が分かれました。高度経済成長期に整備された橋梁等の老朽化対応としては、45.0%が「傷みが小さいうちに予防的な修繕を進め、できるだけ長持ちさせる」という考え方を選択しています。
今後国が力を入れてほしい道路分野の施策(複数回答)としては、「大地震や津波、大雨、大雪、火山噴火などによる災害に備えた対策」が58.7%で最も多く、次いで「すれ違いが困難な狭い道路や急カーブの改良」(47.2%)、「歩道の設置や拡幅、段差解消など」(36.9%)、「渋滞を緩和するためのバイパス整備や交差点の立体交差化など」(35.0%)が続きました。
老朽化インフラの増大と人口減少が同時に進行するなか、調査では維持・更新の費用負担のあり方に加え、防災や道路改良など具体的な施策へのニーズも示されています。維持更新コストを利用者と納税者でどのように分担していくべきか、今回の世論調査は既存の制度変更と照らし合わせつつ、今後の道路行政が直面する負担のあり方についての基礎データを提示しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













