東北電力、大幅増収も第1四半期減益 女川2号機の稼働減が影響

2026年07月30日 10:37

今回のニュースのポイント

東北電力が発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結決算は、売上高が前年同期比46.7%増の7,853億円と大きく伸びた一方、営業利益は同6.6%減の600億円、経常利益は同5.4%減の544億円と減益になりました。間接オークションに伴う域外取引の増加で売上高が大きく膨らんだものの、女川原子力発電所2号機の稼働減や燃料費調整制度のタイムラグ影響などが利益を押し下げました。

本文
 東北電力は7月29日、2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比46.7%増の7,853億400万円と大幅な増収となったものの、本業の儲けを示す営業利益は同6.6%減の600億9,300万円、経常利益は同5.4%減の544億8,300万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益も同4.2%減の361億2,700万円となり、大幅な増収ながら各利益項目は前年同期を下回りました。

 今回の決算で売上高が46.7%増と大きく膨らんだ主な要因は、間接オークションに伴う自己約定を含む域外取引の増加です。売上高にはこの自己約定分が1,551億円(前年同期比1,473億円増)含まれています。ただし、この取引は売上高と営業費用に同額が計上される仕組みであるため、収支への影響はありません。「46.7%増収」という高い伸び率は、電力取引制度上の要因によって表面上の売上規模が拡大したことによるものです。

 一方で利益面においては、女川原子力発電所2号機の定期事業者検査等に伴う稼働減や、燃料費調整制度のタイムラグ影響が収支悪化の要因となりました。市場環境や販売環境の変化に伴う収支改善、送配電事業における需給調整費用の減少といったプラス要因があったものの、自社発電の減少に伴う影響などが上回り、全体の利益は減益となりました。

 今回の決算は、「売上高の大幅な伸びがそのまま本業の収益力改善を意味するわけではない」という電力業界特有の構造を示しています。電力取引制度の仕組みによって売上高は大きく動きますが、実際の利益を左右するのは原子力発電所をはじめとする自社設備の稼働状況や燃料価格などの発電コストです。そのため、表面上の売上額にとらわれず、利益の中身や変動要因を見極めることが重要となります。

 需要と供給の状況を見ると、総販売電力量は前年同期比5.6%増の188億kWhとなったものの、自社発電電力量は原子力・火力ともに減少しました。不足分は他社を含めた火力発電所の安定稼働や受電増により供給力を確保しています。今後の通期業績予想について同社は、地政学的リスクによる燃料価格の動向や託送料金改定、需給調整関連収支など不確実要素が存在することから「未定」としています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)