今回のニュースのポイント
総務省は7月30日、令和9年度(2027年度)予算の概算要求に向け、地方財政に影響する施策について関係各府省へ37項目の申入れを行いました。新たに「補正予算依存からの脱却への対応」を各府省共通事項として盛り込み、恒常的な施策は当初予算で措置することや、地方の事業執行に支障が生じないよう国費を確保することを求めました。あわせて、物価・賃金上昇を踏まえた補助単価の見直しや「地域未来戦略」の推進などを要請しており、新たな予算編成方針を各府省の概算要求実務へ反映させる動きとして注目されます。
■総務省が各府省へ37項目を申入れ
総務省は7月30日、令和9年度予算の概算要求にあたり、例年どおり概算要求基準の閣議了解に合わせて、関係各府省へ地方行財政に関連して配慮や改善を求める37項目の申入れを行いました。
申入れの内訳は、各府省に共通する「共通事項」が12件、個別省庁に対する「個別事項」が25件の計37件となっています。総務省は毎年、概算要求基準の閣議了解に合わせて地方財政の観点から各府省へ申入れを行っていますが、今回は新規項目が4件追加されるなど、新たな予算編成方針を反映した内容となりました。
■新設された「補正予算依存からの脱却への対応」
今回の申入れにおいて最大の注目点となるのが、各府省共通事項として新設された「補正予算依存からの脱却への対応」です。
政府が示した令和9年度予算編成に向けた考え方を踏まえ、総務省は各府省に対し、補正予算の活用は真に緊要性の高い施策に限定するよう求めました。その上で、恒常的な施策については当初予算で措置することを基本とし、その際には地方の財政運営や円滑な事業執行に支障が生じないよう、当初予算の段階で必要な国費を適切に確保するよう求めています。
■政府方針を概算要求へ反映
この申入れの意義は、単なる毎年の恒例要請にとどまらない点にあります。政府が示した「補正予算依存からの脱却」や、恒常的な施策を当初予算で措置するという予算編成の考え方が、各府省の概算要求実務に具体的に反映される段階に入ったことを意味します。政府が予算編成の全体方針を示したことを受け、各府省が令和9年度の概算要求を作成する実務へ移ったことを示す動きといえます。
■共通事項の第1項目に掲げられた「地域未来戦略」の推進
共通事項の第1項目に掲げられたのが、「地域未来戦略の推進」です。地域未来戦略では、地域への大規模な投資の呼び込みや産業クラスター形成を通じた強い地域経済の構築を目指しており、総務省は、地方公共団体が地域の実情に応じた事業を円滑に進められるよう、必要な財源の確保を各府省に求めています。
■物価・賃金上昇への対応と補助単価の見直し
また、共通事項の第2項目には「物価・賃金上昇への対応」が位置付けられました。自治体が発注する公共事業や行政サービスにおいて、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の高騰が続いています。総務省は適切な価格転嫁を推進するため、各府省に対し、労務費や原材料費、エネルギーコストなどの上昇を踏まえ、補助単価や補助上限額を見直すよう要請しました。あわせて、医療・介護・保育・福祉などの公定価格についても、現場の人材確保に必要な財源措置を講じるよう求めています。
■概算要求後の予算編成日程
各府省は今回の申入れや財務省の通知を踏まえ、令和9年度予算の概算要求作業を進めます。その後、秋からの財務省による査定や省庁間調整を経て、年末の予算案閣議決定、年明けの通常国会審議へと進みます。
今回の申入れにより、新たな予算編成方針を各府省の概算要求へ反映させる手続きが始まりました。今後は、その内容が各府省の要求や年末の予算案にどこまで反映されるかが焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













