6月有効求人倍率は1.18倍 「統計の読み方」から紐解く雇用情勢の最新動向

2026年07月31日 10:43

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有効求人倍率は仕事を探す人と求人のバランスを示す代表的な雇用指標です。6月は1.18倍となり、前月から0.01ポイント上昇しました。(資料写真)

今回のニュースのポイント

厚生労働省が31日公表した2026年6月の有効求人倍率は1.18倍となり、前月比0.01ポイント上昇しました。新規求人倍率は2.16倍、正社員有効求人倍率は1.00倍を維持し、雇用情勢の底堅さがうかがえます。産業別では製造業(10.4%増)などが伸ばした一方、情報通信業(6.4%減)などは減少しました。本統計の読み方や就業地別倍率の地域差、他景気指標との連動性から今後の焦点を整理します。

本文
 厚生労働省が31日発表した2026年6月の一般職業紹介状況によると、仕事の探しやすさを示す有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍となり、前月から0.01ポイント上昇しました。有効求人倍率は1倍を超える状態が続いており、求人数が求職者数を上回る市場環境が維持されています。前月からの改善幅は小幅にとどまったものの、正社員の有効求人倍率も1.00倍を確保しており、企業の採用需要が維持されている状況がうかがえます。

 今回の指標を理解する上でまずポイントとなるのが、「有効求人倍率」と「新規求人倍率」の役割の違いです。有効求人倍率は、過去から繰り越された分も含めた「現在出ている求人全体(月間有効求人数)」と求職者数の関係を示す指標です。これに対し、6月に2.16倍(前月比0.05ポイント上昇)となった新規求人倍率は、その月に「新たに募集された求人」を基に算出されます。新規求人倍率は市場の最新の動きを捉えやすいため、企業の採用姿勢の変化をより早く反映する先行的な指標として注目されます。

 また、雇用情勢の質を測る上で重要な正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.00倍となり、前月から0.01ポイント上昇しました。これは正社員を希望する求職者1人に対し、おおむね1件の求人がある水準です。単に雇用の数という全体の枠が足りているかだけでなく、安定した雇用形態である正社員の採用動向が維持されているかを見る指標として重要な意味を持ちます。

 新規求人(原数値・前年同月比3.1%増)の動向を産業別で整理すると、求人の伸びに明らかな違いが見られます。最も高い伸びを示したのは職業紹介や派遣、警備などを含む「サービス業(他に分類されないもの)」の11.5%増で、次いで「製造業」が10.4%増と二桁増を記録しました。一方、「情報通信業」(6.4%減)や「卸売業、小売業」(2.6%減)、「教育、学習支援業」(2.2%減)などでは前年同月を下回り、業種間で採用意欲の強弱が分かれています。

 さらに、都道府県別の動向では、地域による格差や指標の見方に着目する必要があります。実際に働く場所を基準とする「就業地別」の有効求人倍率(季節調整値)では、最高が福井県の1.72倍となった一方、大阪府は0.96倍と1倍を下回りました。本社集中などで求人が多く集まりやすい「受理地別」(東京都1.70倍、神奈川県0.84倍など)と比較して、就業地別倍率は実際の勤務地ベースの労働需給を把握する際の参考となる指標です。

 雇用関連指標は、景気の動きを映し出す代表的な統計の一つです。求人倍率や新規求人の動向と合わせ、同日公表された鉱工業生産や今後の賃金統計など他の経済指標とあわせて確認することで、景気動向をより多面的に把握できます。今後は、企業の採用姿勢や雇用情勢の推移を注視していくことが重要になります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)