今回のニュースのポイント
厚生労働省が3日発表した2025年の労働争議統計調査によると、労働争議の総件数は前年比6.1%増の295件となり、このうちストライキなどの争議行為を伴う争議は77件(前年76件)と微増にとどまりました。しかし、実際に争議行為に参加した人員は前年比93.2%増の1万7,354人と約2倍に拡大しました。人手不足や処遇改善が課題となる医療・福祉や運輸・郵便分野を中心に、賃金改善や労働条件の見直しを求める参加規模が大幅に拡大している実態が明らかになりました。
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厚生労働省が発表した2025年の労働争議統計調査(概況)によると、総争議件数は長期的には減少傾向が続いてきたものの、2019年以降はおおむね横ばいで推移しています。2025年の状況を見ると、労働組合と使用者側との間で生じた「総争議」の件数は前年比6.1%増の295件となりました。このうち、ストライキや作業停止などの「争議行為を伴う争議」は77件(前年76件)と微増にとどまりました。一方で、実際に争議行為へ参加した人員は前年の8,982人から1万7,354人へと前年比93.2%増(約2倍)に大幅拡大しました。発生件数自体は大きく変わらないものの、1件あたりの「参加規模」が大きく膨らんでいる点が今回の統計における最大の特徴です。
産業別に見ると、争議行為を伴う争議の中で件数が最も多かったのは「医療、福祉」の44件で、全体の半数以上(57.1%)を占めました。次いで「製造業」と「教育、学習支援業」が各8件、「運輸業、郵便業」が6件と続いています。行為参加人員では「医療、福祉」が8,418人と最多で、次いで「運輸業、郵便業」が6,989人となり、この2分野だけで全体の88.8%を占めています。人手不足や処遇改善が課題となる医療・福祉や運輸・郵便の現場において、労働条件の改善を求めて多数の労働者が争議行為に参加する動きが目立っています。
件数自体は6件にとどまった「運輸業、郵便業」ですが、その影響力は極めて大きい結果となりました。行為参加人員が6,989人に達したほか、争議に伴い作業に従事しなかった延べ日数を示す「労働損失日数」は3万120日と全体の95.9%を占めました。物流や交通インフラを担う分野では、争議件数が少なくても大規模な組合員が参加することで、社会・経済活動に及ぼす影響が著しく大きくなる構造が示されています。
主要な要求事項(1争議につき主なもの2つまで)では、「賃金」に関する事項が178件で全体の60.3%を占めて最多となりました。次いで「組合保障及び労働協約」が110件(37.3%)、「経営・雇用・人事」が82件(27.8%)でした。賃金要求の内訳を見ても、基本給や諸手当などの改定が75件、賞与・一時金の改定が53件、賃金制度の確立・変更が13件にのぼり、賃金改善が労使交渉における最大の焦点となっています。
今回の統計は、争議の件数自体は大きく変わらないものの、実際に争議行為を行う参加人員が前年から約2倍に急増した実態を示しています。歴史的な減少傾向を経て近年の総争議件数は横ばい圏で推移していますが、1件あたりの参加規模が拡大したことが今回の統計の特徴となっています。今後は賃金改善の動向とともに、人手不足や現場の負担感が課題となっている医療・福祉や運輸分野での労使交渉の動向が引き続き注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













