日本製紙、第1四半期営業益47%減 熊本地震と米子会社事故で通期予想を未定へ

2026年08月05日 15:53

今回のニュースのポイント

日本製紙が5日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結決算は、売上高が前年同期比7.5%増の3,144億6,600万円となった一方、営業利益は47.0%減の29億900万円、親会社株主に帰属する四半期純損益は2億3,300万円の赤字(前年同期は19億500万円の黒字)となりました。さらに、熊本地震による八代工場の被災と米国子会社の事故による影響額を現時点で合理的に算定できないとして、通期業績予想を「未定」へ変更しました。

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 日本製紙が5日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結決算は、売上高が前年同期比7.5%増の3,144億6,600万円、営業利益が同47.0%減の29億900万円、経常利益が同54.8%減の25億900万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純損益は2億3,300万円の赤字(前年同期は19億500万円の黒字)に転落しました。新規連結や円安に伴う換算影響により売上高は増加したものの、海外事業の採算悪化などが利益を押し下げました。

 国内事業では、円安による原燃料価格や人件費の上昇が見られたものの、コストダウンの推進や前年度から実施してきた製品価格の改定効果により前年同期比で増益となりました。一方、海外事業においては、豪州子会社のOpal(オパール)社で現地経済の回復遅れが影響したほか、米国の日本ダイナウェーブ・パッケージング社での価格競争激化に伴う市況軟化などが響き、大幅な減益となりました。

 セグメント別では、主力の「紙・板紙事業」が売上高1,533億1,200万円(前年同期比10.9%増)、営業損失1億4,400万円(前年同期は9億2,000万円の営業損失)となり、価格改定の効果などにより赤字幅が縮小しました。一方で、「生活関連事業」は営業利益が前年同期比90.7%減の2億7,900万円と大幅に減少しました。「エネルギー事業」の営業利益も同97.8%減の1,300万円、「木材・建材・土木建設関連事業」の営業利益も同32.9%減の20億1,900万円となり、他事業の落ち込みが全体の利益を抑制しました。

 同社は同日、従来公表していた2027年3月期の通期連結業績予想を修正し、「未定」へ変更すると発表しました。2026年5月に発生した米国子会社日本ダイナウェーブ・パッケージング社でのタンク倒壊事故、および同年7月に発生した令和8年熊本地震による八代工場(熊本県八代市)の被災について、現時点で業績への影響額を合理的に算定することが困難であるためとしています。なお、年間15円とする配当予想(第2四半期末5円、期末10円)は据え置いています。

 今回の決算発表における最大の焦点は、米国子会社の事故と熊本地震の被災に伴い、通期業績予想が未定に改められた点です。八代工場および米国子会社では操業・生産の停止が続いており、現在詳細な被害状況の調査や影響額の精査が進められています。同社は中期経営計画2030において構造改革を掲げており、同日には豪州Opal社の製袋事業譲渡(2026年9月予定)を発表するなど事業ポートフォリオの見直しも進めています。今後は両拠点の復旧状況とともに、合理的な算定に基づく通期見通しの再公表時期が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)