今回のニュースのポイント
厚生労働省が公表した人口動態統計によると、2024年に国内で生まれた子どものうち、少なくとも父母の一方が外国人だった割合は5.4%(およそ19人に1人)に達し、10年前から存在感を増しています。外国人が関わる婚姻の構成比も上昇傾向を示す一方、出入国在留管理庁が公表した2025年の在留特別許可事例からは、日本で長年暮らし家族がいても必ずしも在留が認められるわけではない実態が浮かび上がります。2つの行政資料は、日本社会における人口動態の変化と、在留管理における個別判断の難しさを同時に示しています。
本文
日本社会では、外国人が関わる出生や婚姻の構成比が上昇しています。厚生労働省が発表した2024年の人口動態統計によると、日本で生まれた外国人を含む出生総数70万9,051人のうち、「日本における外国人」の出生数は2万2,878人(全体の3.2%)で、2014年の1万4,997人(同1.5%)から7,881人増加しました。また、日本人と外国人の間に生まれた子どもも含めた「少なくとも父母の一方が外国人」である子どもは3万8,389人に上り、出生総数に占める割合は2014年の3.4%(3万4,646人)から2024年には5.4%へと2.0ポイント上昇(件数は3,743人増)しました。国内で生まれる子どものおよそ19人に1人が外国人の親を持つ計算となります。
婚姻動向においても、外国人が関わる婚姻の構成比が上昇しています。2024年に「少なくとも夫妻の一方が外国人」だった婚姻は2万3,499組で、婚姻全体の4.8%を占めました。2014年の2万4,471組(同3.8%)と比べると婚姻件数自体は972組減少しているものの、日本全体の婚姻数が大幅に減少しているため、構成比としては1.0ポイント上昇しています。
こうした中で、在留資格を失った外国人については、家族関係や在日期間だけでなく、違反内容や刑事処分なども踏まえて在留特別許可の可否が個別に判断されています。出入国在留管理庁が公表した2025年の在留特別許可(不法滞在等により退去強制対象となった外国人に対し、法務大臣が特別に在留を許可する処分)の事例集からは、許否を分ける対比が鮮明に浮かび上がります。
日本人と婚姻関係にあるケースでは、不法残留が約6年に及び、自ら出頭申告した事例で、「日本人の配偶者等」(在留期間1年)が許可されたケースがあります。その一方で、日本人配偶者や子どもがいても不許可となるケースも公表されています。例えば、日本人との婚姻期間が約25年9ヶ月におよび、夫婦間に成人の実子が2人いるケースでも、覚醒剤取締法違反による有罪判決や過去の退去強制歴・在留特別許可歴が特記事項として示され、不許可となった事例があります。また、未成年の子が1人いる場合でも、傷害罪による懲役5年の実刑判決を受け、配偶者に婚姻継続の意思がないことなどが特記事項として示され、不許可となった事例もあります。
一方で、不法滞在期間が長期に及ぶものの特殊な背景を持つ事例も示されています。母親が約18年6ヶ月、12歳の子どもが約12年3ヶ月にわたって不法残留していた事例では、子の父が正規在留者で母親とは内縁関係にあることが特記事項として示されており、母に「特定活動」、子に「留学」の在留資格(共に1年)が認められました。さらに、不法入国から約42年4ヶ月が経過していた事例では、日本人夫および実子との同居継続を希望し、親子関係不存在審判の確定により出生にさかのぼって日本国籍を喪失したことが特記事項として記載され、「日本人の配偶者等」(在留期間5年)が認められたケースもあります。
公表事例からは、単一の条件で許否が決まるのではなく、家族関係、子どもの状況、日本での生活基盤、在日期間、違反の態様、刑事処分、過去の退去強制・在留特別許可歴などを踏まえて個別に判断されていることがうかがえます。外国人が関わる出生や婚姻の構成比が上昇する一方、長期間日本で暮らし家族を形成していることと、法的に在留を認めるかは別の問題です。二つの行政資料は、日本社会における現実と、在留管理をどこまで認めるのかという制度上の難しさを同時に映し出しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













