OpenAI、8GW級AIデータセンター計画に参画 オハイオ州で建設雇用3.5万人

2026年08月18日 06:48

データセンターイメージ

AI向けの大規模な計算基盤を支えるデータセンターのイメージ。OpenAIは米オハイオ州で約8GW-ITの計算能力を確保する契約を結んだ(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

OpenAIは17日、米オハイオ州パイク郡の「PORTS-Pike Technology Campus」で、約8GW-ITのAI計算能力を確保する契約を結んだと発表しました。SB Energy、NVIDIA、米エネルギー省と連携し、2032年までの6年間の建設期間に3万5000人、完成後には2500人の長期雇用を見込みます。最初の800MWは2028年に利用可能となる見込みで、AI需要の拡大を支える大規模な電力・計算インフラ整備が進みます。

■ OpenAI、オハイオ州で8GW級AI基盤

 米OpenAI(オープンAI)は17日、米オハイオ州パイク郡にある「PORTS-Pike Technology Campus」において、約8ギガワット(GW-IT)規模のAI向け計算能力を確保する包括的な契約を締結したと発表しました。

 同施設は、かつて政府のウラン濃縮施設であったPortsmouth(ポーツマス)ガス拡散工場の跡地を含む再開発エリアに位置します。今回のプロジェクトはOpenAIに加え、エネルギー・インフラ開発を手掛けるSB Energy(SBエナジー)、米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)、そして米エネルギー省(DOE)が連携して推進します。

■ 2032年までに3万5000人の建設雇用

 この大規模な拠点の整備は、2032年までの約6年間をかけて段階的に進められる計画です。

 プロジェクトに伴う雇用効果として、6年間の建設期間中に3万5000人規模の建設関連雇用が創出されるほか、完成後には現地で2500人規模の長期運営雇用が見込まれています。また、OpenAIによる4000万ドルの地域基金設立や学生向け支援を含め、地域や州に対する経済的恩恵は総額1億6000万ドルを超えると試算されており、巨大AI投資が地域経済へ直接波及する大型案件となります。

■ 最初の800MWは2028年、発電・送電網も整備

 データセンターの最初の区画となる800メガワット(MW)分は、2028年に利用可能となる見込みです。

 約8GW-IT規模まで計算インフラを拡張するには、新たな送電線の建設に加え、天然ガス発電を含む新規発電設備なども必要になるとしています。送電網の増強費用についてはSB Energyが負担し、現地の一般電力利用者の料金へ転嫁しない方針が掲げられています。また、冷却設備には水を循環利用する閉ループ型の空冷システムを採用する計画です。発電・送電に加え、水利用を含む幅広いインフラ整備を伴う大型プロジェクトとなります。

■ OpenAIが建設するのではなく「20年間借りる」

 なお、本プロジェクトにおける役割分担として、データセンター自体の建設・所有・運営を手掛けるのは開発主体のSB Energyです。OpenAIは施設の所有者ではなく、20年間の長期リース契約を通じて計算容量を借り受ける需要家の位置付けとなります。

 施設にはNVIDIAのAI計算インフラが独占的に導入されます。NVIDIAはSB Energyに対して15億ドルを投資するほか、初期4.25GW-IT分に相当する土地や電力、建物整備に関する信用支援を提供します。開発・金融を担うSB Energy、半導体基盤を供給するNVIDIA、そして需要家となるOpenAIによる明確な分業体制が敷かれています。

■ AI競争、ソフトから巨大インフラへ

 OpenAIは確保した膨大な計算能力を、将来のフロンティアモデルのトレーニングや、急速に拡大する製品需要への対応に充てる方針です。

 生成AIを巡るグローバルな競争が加速するなか、その基盤を支えるデータセンターは単なるIT設備の域を超え、大量の電力確保や大規模な送電・供給設備を伴う巨大な物理インフラの領域へと拡大しています。今回のメガプロジェクトは、AI投資が先端半導体の確保からエネルギー・インフラ整備、さらには地域の建設雇用創出にまで広く結びつく新たなフェーズに入ったことを象徴する動きと言えます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)